小林 : 教育スクールビジネス研究所の小林正弥です。今日は活躍している教育の専門家、プロフェッショナルの方にインタビューをしていきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。

平塚 : よろしくお願いします。

小林 : まず自己紹介として、お名前と、簡単に事業内容を教えていただけますか?

平塚 : 株式会社エデュケーションデザインラボ、長いのでEDLと呼ばれています。平塚と申します。事業内容ですが、今、主に二つありまして、一つは学校の先生たちを中心にGoogleのアプリを組み合わせて授業で使ったり、公務といいまして事務作業、保護者にアンケートを取ったり、いろんな事務がありますが、そういったものをGoogleを使って効率化させるというトレーニングを請け負っています。

昨年7月に、Googleから教育機関にトレーニングを行うPDパートナーという認定をもらっている会社となりまして、まだ全国に3社しかありません。今年は教育委員会を通じて、現場の学校の先生にトレーニングをするということを始めています。
もう一つは、筑波に本社がありまして、研究学園都市に住んでいる主婦の方にITをトレーニングして、在宅で登録していただいたワーカーさんとして、事務局の代行やWEBサイトの構築、更新代行や、あとデジタル採点といいまして、テストの丸付け、そういったような業務委託で、当社が請け負ったものをワーカーさんに振るという形で、今140人のワーカーさんを抱えてやっています。

小林 : 創業どれくらいですか?

平塚 : 今12年目です。9月で13年目になります。

小林 : 平塚さんご自身が創業されたんですか?

平塚 : 私が筑波大学の社会人大学院生の2年のときに起業しました。教育学が専門で、ITが専門ではないので、いまだにコーディングとかHTMLとか分からないんですが、ITがよく分からない方でも、どういうふうに使うと、組織でITを生かせるかということが研究テーマで、20年近くやっています。

小林 : もともとそうなんですね。

平塚 : もともとは筑波で子育て支援のNPO法人を立ち上げて、お母さんたちが育児情報誌を年に1回自費出版するという活動をしていました。

小林 : いろんな経緯があって、今のビジネスにつながっているんですね。以前はビジネス的にどういう課題がありましたか?

平塚 : お母さんたちにITをお伝えして、うちのほうで業務委託をする形でやっています。業務委託をするクライアントさんも、目の前にいない人にどうやって業務委託するのかと疑問に思われたり、お客さまによって業務内容が多種多様でものすごく手間暇がかかっていました。人を育ててメンテしながらPDCAを回してどんどん良くしていくというスタイルをすごく丁寧にやっているので、どうしても横展開や、利益をバンと上げるとか、業務拡大をすればするほど人手がかかって大変というところで、ものすごく苦労していました。

教育事業のほうは、実際に講師を派遣するというのがメインになりますが、先生方も忙しくて、45分のトレーニング研修で、ITを全く触ったことのない先生が一回でできるようにはならないので、そういうところに限界を感じていました。

小林 : 平塚さんご自身も教育のプロだと思いますが、今回“新・講座型ビジネス”ということで、私たちのほうで勉強してみようと思われたのは、どういうきっかけでしたか?

平塚 : 2020年に学習指導要領が変わって、ICTを使った授業や、プログラミング教育が必修化になります。学校に30人の先生がいたら、9割、27人の先生が使えるようにならないと思っていますが、現状は各学校に、使える先生が1名いればいいほうというのが現実です。使える先生がいらっしゃらないと、「できればいいね」という努力目標だったりするので、教育の格差というものが実際に広まっています。それを考えると、沖縄の離島や北海道の先生にも、短い時間でICTをすぐに使えるようになっていただきたいという思いがあります。そうすると私達が行って教えるというのは、現実無理なので、何か良い方法はないだろうかとずっと考えていたときに、動画とグループコンサル的なものに可能性を感じました。

小林 : オンラインで知識情報のインプットをしていただけると、お互いに時間的にも、先生たちも自分の都合のいいときに学べますよね。

平塚 : あとすごく共感したことが、クライアントさんの時間を使って、クライアントさん自身が学ぼうと思って取り組んでいただく時間を取っていただくという働きかけをする教材というのが、そのとおりだなと思いました。

今、学校の現場では、先生が正解を持っていて、一斉授業で教えるというスタイルが常識なので、それを変えていくためには、学び方のイノベーションと、ICTが特にWindows時代からクラウドに移り変わったときに、そこにも常識のイノベーションを起こさないと、クラウドを上手に使えないので、二つのイノベーションがあります。さらに先生は、自分が体得するだけではなくて、子どもたちに教えないといけないので、すごく大変なことだと思っていて、何かうちができることがあればと思います。

小林 : 今そういう中で、いろんな学校や企業からも依頼があるということですが、どのような状況ですか?

平塚 : この12年間、教育委員会を中心にHPを作成する研修を続けてきていて、学校に行って年に1回トレーニングをしたり、本でマニュアルを書いて皆さんにご提供したり、そういうものが中心でしたが、最近は小林さんと知り合って、「こういうふうに説明するといいんだな」ということで、目からうろこが落ちまして、今回の講座のコンセプトを自分で立ち上げました。

今、講座も構築させていただいて、そのアイデアをお話すると、ものすごく興味を持っていただけています。実際に講師が行ってやるというのは重要なので、今までどおりやりますが、どちらかというと自習したり、オンライン上で他の人と一緒に学ぶというスタイルで展開していこうと思っています。

小林 : 僕は売上というのは、顧客満足というか、お客さまに対しての価値提供の点数みたいなものだと思っているですが、売上高も伸びている感じですか?

平塚 : 今回この講座のコンセプトを思いついて、お話したら、「今すぐ欲しい」と言われて、企業さまから1件成約をいただいて、本当にありがたいと思っています。教育委員会のほうも、今1件決まりそうです。行政なので時間はかかりそうですが。

小林 : 価格設定について、何か気付きなどはありましたか?

平塚 : 今までオファーしていた金額の3倍から5倍で言ってます。

小林 : 相手はそれでも喜ばれていますか?

平塚 : 学校の現場は、研修費がすごく低いんですが、何をやってこの値段なのかというときに、毎月1回オンラインで2時間、リアルタイムで別々の場所にいる人と一緒に、一つのファイルを触るとか、グループワークをオンラインでやるとか、そこに講師がいるので、目の前で質問もできるし、どこかに出掛ける必要もないので、その話をすると、2時間分ちゃんと受講できるので安いかなと。
今考えているのは、企業向けには1万2000円。

小林 : 1人の先生あたりですね。

平塚 : 学校の先生向けには半額で6000円くらいかなと思っています。スポーツジムに行くくらいの金額かなと思って設定しています。

小林 : この1カ月でかなりご契約されたみたいですが、どれくらいの受注額になりましたか?

平塚 : 確定したのが580万円で、教育委員会が決まるとプラス200万円になります。

小林 : 1カ月弱でそれだけということは、それだけ市場が求めているということですよね。

平塚 : 小林さんの音声メルマガで、いろいろコンテンツを伺っていて、共感することが多かったです。「言い方を変えているんだな」ということに気が付きました。今までも同じことを感じていたけど、相手への伝わり度合いがよくなったと思うので、成約に結びつきやすくなりました。

小林 : これから企業への戦略の中で、ものを売るだけでは駄目だということはよく言われてますが、サービスって無形なので、原価がないですよね。

平塚 : 目に見えないものにいくらの値段をつければいいか、私もずっと分からなくて。

小林 : その中で、今回3倍から5倍の価格設定でも受注をいただけたというのは、今回僕から何か気付きを得たのか、どういうところにポイントがあったんでしょうか?

平塚 : 小林さんのアドバイスで一番ヒントになったのは、競合他社で一番のVIPクライアントがいくら払っているのかというのは、「確かに」と思いました。全く同じサービスでないとしても、何が今一番の解決策で、それに予算を取っているのかなということで考えてみました。

小林 : 仮にA社に何百万払うよりは、平塚さんにお願いしたほうが、自分たちの問題解決ができると思えば、その価格は妥当だなということに気づかれたんですね。

平塚 : そうです。計算的には、単発で1回3時間の研修に行くのに、競合他社で一番高い金額のところがこれくらい取っているのであれば、何人の先生を何校分トレーニングしたらこれくらいになるというのをお伝えします。次に、実際うちもそういう見積もりを求められるので出しますが、それよりは1年かけてオンラインで自学自習で、全く新しい学び方でやったら、これだけのものが手に入るのと、どっちがいいですかと伺います。

そうすると単発で3時間やるよりも、こちらの形のほうが、予算もそれほど変わらないし、得られるものが大きいのではないですか、と言うと、間違いなく皆さん「そのとおりだよな。でもそれが通るかどうかは現場次第だな」と。それを決めるのは、売る側ではなく買っていただく側なので、お客さまのほうでそれに価値があると言っていただけたら、前例がなくても買っていただけるのだと思います。

実際に目の前にそういう教育委員会さんがあるので、そこが決まってくると説明もしやすくなると思います。

小林 : 今まで世の中にないものをスタートし出したので、プロダクトのライフサイクルでいうと、まだ初期ですね。最終的な平塚さんのビジョン、ICTの教育サービスではどのように考えていますか?

平塚 : 壮大な野望ですが、今全国に学校の先生が85万人いらっしゃって、2020年までに1割くらいのシェア、8万人くらいの先生に受講していただけると、日本の教育も変えられるのではないかと思っています。

小林 : 2020年の教育改革に向けて、この3年間で何万人という方たちに届けていくということですね。

平塚 : そうしたいとずっと思ってましたが、うちみたいな小さいところはできないと思って、どこかで諦めていて、自分がそういうことを言う資格があるのかなと思っていました。でも、この業界に入って15年くらいたちますし、まだ誰もやってないからこういう状況なんだろうと思うと、やっぱり自分ができることをやるしかないという覚悟で、今までの常識をアップデートしていく、その役割が果たせたら非常に光栄だなと思って、全力を尽くしてやろうと思っています。

小林 : 実現していただきたいです。この映像を見ている方で、すでに教育を自分でやっている方とか、これから何か教えることをやりたいという方も見ていると思いますが、最後に一言メッセージいただけますか?

平塚 : 今までWordやExcelが使えた方でも、プログラムが書ける方でも、「クラウドってよく分からない」とよくおっしゃいます。それはなぜかというと、クラウドというのは今までの常識を全く覆すもので、今までは端末にデータが全部入っていましたが、クラウドは別のパソコンに入っているので不安を感じます。セキュリティに対する考え方も、常識を上書きしない限り、怖くてクラウドを使えません。

以前は、Wordを勉強するとすぐに業務に使えましたが、クラウドは、一つのアカウントで複数の目的を持つアプリと、シームレスにデータ共有するからこそ生産性が上がるので、一個のアプリを使えても駄目なんです。

目的別に使っているアプリを、上手に目的ごとに使うということや、同じデータベースで上手に連携させるとか、あとは1人で使うのではなくて、同じプロジェクトをやっている10人が、10人とも同じデータにアクセスできるからこそ、リアルタイムで仕事がはかどります。ですので1人でやってても駄目です。

同じプロジェクトの場合、全員が同じスキルで同じ価値観で、クラウドを上手に使うということではじめて生産性が劇的に上がります。ほとんどの方が、単一のアプリを個人で使っていることが多いので、なかなかクラウドの可能性や、本当の威力に気付けないんですね。

それをぜひ、うちの講座で実感していただきたいです。Googleは、本当にコストパフォーマンスが高く、ほとんどのことができてしまいます。そこで慣れていただいて、クラウドが何かということを分かって、さらに自社の業務フローに最適化させるために開発をしたり、人工知能を使ったり、次のステップに行っていただけると非常にいいかと思います。

あらゆる方にGoogleを使っていただくのは、リテラシーを高めるために欠かせないと思っています。組織で仕事をされている方、チームで仕事をされている方は、難しくありませんので、ぜひ一度時間を取っていただければと思います。

小林 : その辺りは、平塚さんのHPを見ていただいて。https://www.edl.co.jp/
今日はありがとうございました。

平塚 : ありがとうございました。