『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』著者Nami Bardenさんとは?
心の豊かさと金銭的な豊かさの関係性について
目標を達成したのに幸福感がない場合は
心と金銭的な豊かさを天秤にかける必要性について
自分自身の幸せを見つけるには
苦悩から、美しい心の状態にする4つのステップ
夫婦生活にも使える4STEPの日常的な使い方
ビジョンがどの状態から来ているかを確認する
Namiさんの日本での活動について

『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』著者Nami Bardenさんとは?

【Nami Bardenさんプロフィール】

長崎県佐世保市生まれ。
父の転勤で鳥取、横浜、沖縄、新潟、北海道、長崎、東京などを転々とする。プロのバレエダンサーになることを目指し、17歳の時にモナコのプリンセスグレースバレエアカデミーに留学。高校卒業後、パリの日仏芸術舞踊学校にバレエ留学。しかし20歳で人生の方向転換を決意し、大学に進学。アメリカのウェスタンニューメキシコ大学、セントラルフロリダ大学を経て、コロラド州のフォートルイス大学ビジネス専攻を主席で卒業。卒業後は東京の外資系企業で働き、その後ハワイのリテール企業に就職。結婚と出産を得て今に至る。

ハワイ州不動産売買ライセンスを取得。夫の投資系会社と不動産会社の業務を手伝う傍ら、ワンワールドアカデミーのトランスフォーマー(メディテーション&WISDOM講師)として2015年から2018年まで活動をする。2018年にセミナー講師&個人カウンセラーとして独立。世界各地で「意識的(コンシャス)に生きる方法」を広めるべく、セミナー活動に励む一方、個人カウンセリングも随時行っている。クライアントには、企業経営者、大学講師、弁護士、医療関係者、教育関係者、投資家、スポーツ選手、芸術家などのプロフェッショナルから、主婦や学生、病院の患者、米国刑務所服役囚など、多種多様のバックグラウンドの人々を含む。それぞれの国の文化の違いも踏まえ、ニーズに合ったセミナーやカウンセリングをし、それぞれのプロフェッショナルな分野で活躍する人々のために、「こころ」のサポートを行っている。

【ホームページ】https://namibarden.wordpress.com/
【著書】『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業 』

小林 : 今回は著者対談ということで、ハワイからお届けします。今回の対談は、『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』を出版されたNami Bardenさんです。

Nami Bardenさんはハワイ在住ですが、日本を含めた各地の経営者のカウンセラーということで、経営者がいかに豊かな人生を生きるのかということについて指導をされています。僕自身も2018年2月にNami Bardenさんにコーディネートしていただき、インドで心の学びをして、そこから結婚したり、ビジネスが拡大したりと、公私ともに人生が豊かになりました。

僕のコミュニティーでも、この本や、Nami BardenさんのYouTubeをご紹介しています。今日は楽しみにしている方たちも多いと思います。この対談が実現できて、うれしく思っています。では、Namiさん、よろしくお願いします。

Nami : よろしくお願いします。

小林 : まずNamiさんから、最近の活動について、自己紹介も兼ねて教えてください。

Nami : 個人カウンセリングやセミナー活動をしています。ハワイでもグループをつくってくださる方がいて、いろいろなグループがありますが、例えばヨガスタジオのグループさんや、クイーンズ・メディカル・センターの患者さんグループなど、グループによって興味が違うので、その方たちの助けになれるようなテーマで、心の授業をさせていただいています。

心の豊かさと金銭的な豊かさの関係性について

小林 : いろいろな質問が届いていますが、みんなを代表する質問が届いてますので、まず読み上げたいと思います。ペンネーム“悩める30代、心は10代さん”です。この方は、日本である意味誰もがうらやむようなキャリアを歩まれていらっしゃいます。

「Nami先生、こんにちは。いつもメディテーションでお世話になっています。私はマインドフルネスのスタジオにも通ったことがあるのですが、Namiさんのそれはウェブ上であっても、まるでリアルの体験をしているかのごとく臨場感があり、なおかつ気軽に瞑想に取り組めており、素晴らしい施しをありがとうございます。対談は、仕事のためリアルタイムで拝見できませんが、のちに録画を見るのを楽しみにしています。質問です。心の豊かさと、金銭的な豊かさは、どういう関係性があると思われますか。私は20代の頃は、年収が1000万円を超えれば、ぜいたくな暮らしとまではいかずとも、普通に暮らすには不安も心配もないものだと思っていました」

確かに日本だと、年収1000万円というのが一つのゴールというか、そういう方が多いと思います。

「それを励みに仕事を頑張ってきました。30歳を過ぎ、ご縁にも恵まれ、今年収は1000万円台半ばを安定的にいただくことができ、ある程度時間的余裕も出てきました」

日本で30代で、年収が1500万前後というのは、相当ハイレベルな方だと思います。

確かに生活は楽になりました。仕事も楽しく、人生は幸福だなと思っています。でもどことなく違和感、むなしさがあるのも事実です。どこかお金から離れたい自分もいるような気がします。年収と幸福度の関係など、いろいろ説もありますが、Nami先生のお考え、アドバイスがあればお聞かせください。少し弱音を吐かせていただきましたが、貴重な機会ですので、ありのままお聞かせいただければと思います。またお金を稼ぐことは、誰かに価値を提供し、対価をいただくことですし、税金を納めることでもありますから、社会貢献ですし、働き盛りなのでバランスを取りながらもっと頑張ろうと思っています」

ということで、この質問に代表されるような、ある程度仕事を一生懸命頑張って、生活が安定できるだけの収入を得た人たちで、はたからは「いいよね」と言われるようなライフスタイルを実現している人たちでも、どこか心に空虚感や、次どこへ行けばいいのだろうと悩んでいる人たちが多いように思います。そういう人たちに向けて、質問に答えながら、展開していきたいと思います。

Nami : ご質問ありがとうございました。二つ思ったことがあります。

一つは、精神論とお金はどういう位置関係なのか。私も昔、同じように先生に質問したことがあります。幸せになるには、あんまり頑張ってお金を稼ぐと、精神的に豊かになることはできないのではないかと。そのときに、先生に言われました。「でも、それって、あなたたちの理想でしょ?」先生は詳しくは話してくれませんでしたが、あとで心に落としてみました。私たちは、お金を稼ぐことと幸せを天秤にかけることがあります。

でもこの考え方そのものが、自分の固定観念なんです。お金を求める人は、心がすさんでも仕方ないのではないかという考えのもとで、この固定観念がつくられています。でもそうではなくて、世の中を見て、成功してきて、いろいろな人と会っていると、お金を稼ぎながら幸せに生きていく方法というのはあります。周りにはいないかもしれませんが、実はいます。ただそういう人たちこそ、「僕たちってすごいでしょ?」と見せびらかさないんです。

小林 : 「成功したぜ」みたいなことは言わない。

Nami : 本当に心が豊かで幸せで、しかもお金があるという人は、そんなに頑張ってみんなに知らせてないんです。なぜなら、知らせる必要がないから。

よくYouTubeやテレビや雑誌で見るのが、プライベートジェットを持って、こんな大きな土地に住んで、こんな大きな家に住んで、こんなに幸せそうな家族を持って、というふうにしていらっしゃる人がいますが、そういう人こそ、心の中がすさんでいるというか、どこかで不安を持っていたり、心にブレがある。けれども、本当に幸せな人は、「ほら、すごいでしょ」としない。なぜか、する必要がないから。お金を見せびらかす必要がない。

つまり、お金があることと精神論は、天秤にかける必要がない。お金があっても、心がブレている人もいれば、ブレていない人もいる。反対にお金がなくても、心がとても豊かな人もいらっしゃるし、心が不安定な人もいらっしゃる。それが一点。

目標を達成したのに幸福感がない場合は

Nami : もう一点は、それと少しつながっていますがニーズです。マズローの欲求段階説で考えてみると、人間として暮らしていく上で一番必要な欲求は、食べ物、衣服、家、そういうものが底辺にないといけない。その次は、何でしたか…

小林 : 一番下が生存の欲求、安全の欲求、そこまでが衣食住で、次の精神的な欲求が三つあって、所属の欲求、承認の欲求、最後が自己実現の欲求。

Nami : ニーズを満たすことばかりに目を向けてしまうのは、意識の観点からいうとあまりよくないです。ただ、人はやはり体がなければ思考がない。思考がなければ意識もない。私たちは、体があって脳みそがあるからこそ、考えることができる、つまり生きることができる。それでいうと、体がなければいけない。体がある以上は、それをメインテインしなければいけないので、いい食事は必要になってくる。もちろん安全も必要になってくる。そういう意味では、そこのニーズは最低限必要です。

でも、その上のほうにくる所属だったり、自分はどんな人なんだろうということばかりに気を使って、それを外から満たそうとすることでうまくいかなくなる。心がだんだんブレ始める。そこをちゃんと分かっていないといけません。

今回の場合、この方はなんとなく心にブレを感じているわけですね。これはよくありがちなパターンで、成功者でも成功者ではなくても、誰しも似たような感覚を経験したことがあるはずです。どんなに頑張った億万長者でも、ある一定のゴールを設定して、それに向けて頑張るということをやってくる。どんなコンサルティングでもセミナーでも、ゴールを設定しろと。そして、いつまでにそれを実現するのかを考えろと。

いつまでと決めたら、自分にそのビジョンを入れて、現実に起こっている感じにしろ、というふうに私たちは習ってきます。ゴールを設定することで、もちろんそちらへ早く行けますが、心の観点からすると、それだけではマイナスに働きます自分のゴールに向かって突き進む上では、いい方法ですが、ここでそれを意識的にするのか、無意識にやってしまうのかということです。無意識にやっているとどうなるかというと、「はい、ここに設定しました。期限も決めました。そこに向けて、がむしゃらに頑張ります!」、例えばその人が、1億円が欲しいというゴールだとしたら、「イエーイ!できました。1億円、手に入った!」といったら、この人はどのぐらいの期間、幸せでしょうか。

小林 : 僕の場合は、お祝いの食事とかして、その食事が終わったら、空虚な感じになりますね。

Nami : そうなるはずです。なぜそうなるかというと、無意識に生きてきた中で、「僕が追い求めてきたのは、これだけなのか」という気持ちが出てくるからです。でもそこで気付かなくてはいけないのは、この人が求めていたのはお金ではなかったはずなんです。

小林 : 仮に目標が年収1000万円を超えることだとしても?

Nami : そうです。実際にビジョンを持って、「1000万円のお金が欲しい」と頑張ることはいいんです。ただその中で、無意識にそれをやってしまっていると、周りに目が行かない。自分の中に足りないものを埋めようとしている自分。例えば、自分の価値を認めてもらいたいということを満たすために1000万円が欲しいというパターン。あるいは同級生や同僚と比べて、自分はなんてすごいんだという気持ちがあって、1000万円だったのか。あるいは「僕は頭がいい」ということを証明したくて頑張った1000万円だったのか。ということに気が付かないまま来ているので、1000万円を取った途端に、ゴールがなくなる。でも誰も僕のことを、すごいやつと思ってないよね、となってしまう。僕のことを頭いいと思ってくれてないよね。それで落ち込んでしまう。僕が欲しかったのは、一体何だったんだろう。

この人たちは、大体頑張る人たちなので、あらたに2000万、3000万、あるいは1億と将来の設定をさらに上げる。自分の価値を認めてもらえていないという、自分の中にある欠けているものが何か分からないままにやってしまう。

小林 : 1000万円に向かっている間も、満たされてないですよね。

Nami : 目標達成に一生懸命になってしまって、周りを見ていない。家に帰って、奥さんの顔もあまり見ていないだろうし、何を食べているかにも集中してないから、感謝の気持ちも出てこない。奥さんも「なんだかこの人と、心が通じてないな」と感じているはずです。子どもとも、心がつながっていない。気が付いたら、自分が1000万円を築いて「イエーイ!」と言っている間に、家族の心が離れている。

小林 : 最初は素晴らしいと思っていた自分の目標が反転してしまって、暗黒になってしまうみたいな(笑)

Nami : 暗黒というほどではなくて、ある程度自分の欲求が満たされたという気はしているんですが、何か足りないと思っているはずです。お金というのは、幸せを持ってくるものではない。これは皆さんも、多分分かってると思います。

お金によって自分の生活が快適なものになりますが、幸せにはならない。お金があるために、自動掃除機を買ってみたり、ちょっと大きな家を買ってみたり、大きなベッドを買ってみたり、楽になることはできるけど、幸せにはならない。幸せは自分の心の中に意識を向けて、意識の勉強をし始めたら、はじめて出てくる

心と金銭的な豊かさを天秤にかける必要性について

小林 : この方の質問に、心の豊かさと金銭的な豊かさの関係というのがありましたが、そもそも違うということですか。

Nami : この方みたいに、天秤にかける必要はないということです。ある程度ここまで来たら幸せになれると思っていたのに、実際やってみたら、幸せとは別物だったということに、この人は気が付いている。だからマインドフルネスを習い始めている。マインドフルネスから意識の勉強につながっているということを、この人はもう感じているはずです。だからメディテーションもしている。メディテーションをすることによって、自分の思考を静かにさせる。静かにさせてはじめて、自分の体とは何なのか、思考とは何なのか、自分イコール何なのかということに、だんだん気付いていける人です。もう準備ができていると思います。

小林 : Namiさんや、Namiさんのファミリーも、経済的に成功されて、今どこにいてもいいという状況だと思いますが、彼のような悩みや問題意識を感じたことはあったんですか。

Nami : 初めて意識開花を知ったときに、私たちは同じ質問をしました。「これ、素晴らしいけど、このままいったら、仕事ができなくなるんじゃない?」という不安がありました。だけどそんなことはない。

よく固定観念で天秤にかけているとき、何をイメージしているかというと、瞑想している人イコール聖職者、お坊さん。例えば洞窟やお寺の中で瞑想しているイコール働いてない。となると、どっちか選ばなきゃとなるんですが、実際はそうではない。お金を稼いで、自分の最低限のニーズを満たし、その上でこれは自分のビジョンに合っている生活レベルなのかということに照らし合わせて、自分の心の幸せにちゃんと目を向けながら生きることで、もっともっとお金が入ってきます。人は、もともと可能性が秘められているものです。

ではなぜ、それが発揮できていないかというと、全てはマインドのせいです。思考がブロックしているからです。将来や過去に意識が行ってるから、先が見えない状態で、もがきながらゴールに向かっている。そうすると、見えないからどこに行ってるか分からない。

例えば、頂点のある富士山みたいな山を登っているとしたら、どんな山を登っているか分からない。なんとなく道があるから、上に向かっているだけ。あとは霧にかかっていて、全然分からないという感じ。だけど、瞑想や、意識の勉強を始めると、霧が晴れてきて、「全然違う山を登ってたじゃん。僕の目指す山はこっちの山だった」と、ちゃんと方向転換ができて、心を豊かにしながら楽に進んでいくことができるようになります。

小林 : その霧の晴らし方を、後半伺っていきたいと思います。

自分自身の幸せを見つけるには

小林 :今まではいい学校、いい会社、いい人生という感じで、日本の経済が伸びたとき、所得倍増という国家的に単一のゴールがあって、そこを目指していけばよかったんですが、今は多様化していて、今までの日本人は答えとやり方を与えられて、それに対して頑張ることは得意でしたが、自分で自分のビジョンを定めたり、何が幸せかを自分で定義して満たしていくことは、やったことがなかったと思います。そういう状況になったときに、誰も教えてくれる人がいないという中で、Namiさんの本はすごく画期的だと思っています。どうしていけばいいですか。

Nami : 以前は、カンパニーのCEOから言われたとおりにすれば、業績が上がり、褒められて、上の立場に行って幸せに暮らせたという生活でしたが、ここにAIが来ると、掛け算や割り算がどれだけ早くできるかよりも、全体のクリエイティビティが必要になってくる。全体のクリエイティビティは、美しい心の状態からしか生まれません。

小林 : 心の状態にはどういうものがありますか。

Nami : 二つしかありません。苦悩の状態と、美しい状態です。美しい心の状態は何かというと、クリエイティブなアイデアが浮かんでくる。過去や将来に行っていた思考が、全て静まっている状態なので、クリアな状態です。クリアな状態ではじめてビジョンが見えてきます。そのビジョンに従って、「こんなことができる」「あんなこともできる」と、いろんなアイデアが浮かんできます。だから美しい心の状態からは、素晴らしいアイデアが生まれ、ビジョンに基づいた行動が素早くできます。

経営者の人たちが、なぜ今、この心の授業を求めるかというと、生産性を伸ばしたい、自分の社員を元気づけたい、カンパニーのビジョンを持ちたい、その全てにつながるのが一人一人の心の状態で、特にリーダーの心の状態がクリアでないと、それに従っている人たちがもやもやになってしまう。だから、CEOの人たちが皆さんやって来て、心の授業をされていきます。

小林 : 心がもやもやになっているのが苦悩の状態で、それが晴れている状態が美しい状態ですね。

Nami : そうです。苦悩の心の状態では、自分が中心となった立ち位置から物事を見ています。いつも「自分、自分」と言ってます。あるいはここの立場から相手に向かって、「あなたがこうすればよかったのに」「なんで私のことを分かってくれないの」という思考が出てきています。

小林 : 自分に意識が向いていると、苦悩の心の状態になる?

Nami : というか、苦悩の状態になっていると、そういう考えしか出てこないようになっている。逆ですね。意識状態が苦悩の状態になると、そのような思考しか出てこなくなる。だからこのような思考が出てくるのは当たり前、なぜならばこちらにいるから。

だけど、美しい心の状態に来ると、自分は真ん中ではなくて、全ての中の一つなので、その状態だと、「自分は支えられている」という感謝の心ができます。「みんな支えてくれてありがとう」という感覚が、自然と生まれてきます。この状態からはじめて幸せを感じて、喜びが生まれます。

苦悩から、美しい心の状態にする4つのステップ

小林 : 美しい心の状態になることが、まず最初。

Nami : 苦悩の心の状態からは、ちゃんとしたビジョンが生まれないし、この状態から出した結果はいいものにならないということを知って、美しい心の状態から全てを決断して行こうと決めることが大事です。

小林 : これが、本の中に書かれている四つのステップになっていくわけですね。

Nami : 苦悩の状態から、美しい心の状態にする方法が、四つのステップです。

小林 : 四つのステップをすることによって、苦悩の状態から美しい心の状態にいつでも変えることができる?

Nami : できます。

小林 : ちょっとやってみましょうか。

Nami : 第1ステップが、気付くということ。自分の心に、怒りだったり、悲しみだったり、うらやましいというジェラシーだったら、なんとなく悶々とするとか、うつうつするとか、ネガティブな感情が表れたときがサインです。そのときに「あれ?」と思うのがきっかけです。

小林 : そこで気付くということですね。

Nami : 第2ステップは、頭の中の思考を一つ一つ見ていきます。大体15個くらい挙げたらゴール達成です。そのときによく経営者の方たちがやってしまうのは、紙に書いていくんですが、紙に書いてしまうと駄目です。録音する人もいますが、それも駄目です。瞑想が一番いいです。目をつぶって瞑想しながら、自分の頭の中の奥深くの思考を一つ一つ見ていくだけでいいです。はじめのほうに出てきた思考を忘れてしまうといって焦りますが、忘れたら忘れたで構いません。

小林 : それを知ることが目的ではない?

Nami : ないです。奥深くに沈んでいる潜在意識を掘り起こすのがステップの醍醐味なので、大体最後のほうに表れます。最初のほうに表れるものは、あまり気にしなくていいです。とにかく15個挙げていく。

目をつぶって、指で数えながら、例えば、「なんで僕は楽しくないんだろう」「なんであの人は、あのシチュエーションで僕に対してあんなふうに言ったんだろう」という外側のものから、だんだん心の本音が出てきます。

小林 : 15個思考を出してくるって大変ですよね。

Nami : 慣れてないと大変ですが、頑張ってください。「もうないよ」とよく言われますが、「もしあったとしたら、何でしょうか」と聞きます。自分に対しても、「まだ何かあるはず」としぶとく頑張ってください。

第3ステップでは、二つすることがあります。一つ目は、先ほどの15個の思考のうち、いくつが自分中心の思考だったかに気付いていく。一つ一つ見ていくというよりも、全体的に「大体90パーセントかな」「ほとんどでしょ」と気付いていくだけでいいです。

小林 : 例えば、出てきた思考が、自分中心なのか、全てとつながっているものか、どっちなのか判別するのは、自分の感覚でいいですか。

Nami : そうですね。普通90パーセント以上は、自分中心になっています。

小林 : このワークをやる時点で、ネガティブな感情が出ているから、苦悩の状態になっているわけですね。

Nami : 90か100パーセントがそうなっているんですが、自分で気付いていくことが大事です。いかに自分の思考が、自分中心の思考から出てきているかということに気付くことです。よくあるご相談で、ご夫婦の関係で、奥さんが「私はこんなに頑張っているのに、なんで夫は分かってくれないのか」「あの人が週末いてくれたら、私は楽になるのに、なんで分かってくれないのか」「たまにはゴミも出してほしい」など、全部自分中心です。

自分のことを分かってほしい、自分の話を聞いてほしい、なんでおいしいって言ってくれないんだろう、自分の価値を認めてほしい、そういうことから来ています。自分の思考が、いかに自分中心であるかということに、気付かないといけません。周りの人が自分を幸せにするものだと思っているからです。

小林 : 「私は周りから大切に扱われるべきだ」みたいな思考があるということですか。

Nami : はい。カップルのご相談のときに必ずする話があります。お互いが心のニーズを埋めるための結婚は、うまくいきません。結婚という法律上のシステムを確立するには、何がベースになっているかというと、「お互いに経済的に楽だよね」という立場はニーズベースとして必ずあると思います。

だから男の人が女の人を見るとき、「この人は、僕の子孫、赤ちゃんをつくってくれそうな体か」ということをどこかで絶対に考えているし、女の人は、「この人は、ちゃんと私と子どもをサポートしてくれるだけのキャパシティーがあるか」ということを見ている。

小林 : そこはDNA的に、無意識に思うんですね。

Nami : 無意識です。それは前提です。だけど、心でそれをする人がいます。つまり、「一緒になったら、私のことを幸せにしてくれるでしょ?」という考え方です。男の人にもいます。「結婚してください。あなたのことを幸せにしますから」。いえいえ、できません。女性は女性で、自分を幸せにしていかないといけない。男性は男性で、自分を幸せにしていかないといけない。これがうまくいってないと駄目です。

女の人が、「あなたは私を幸せにしてくれるはずでしょ?」というスタンスでいると、絶対うまくいきません。「私が幸せでないのは、あなたが稼ぎを持ってこないから」「あなたが優しくしてくれないから」「あなたが、子どもとの時間を取ってくれないから、私たちはうまくいかないのよ」と、相手や外に答えを求め始めます。でも奥さんは奥さんで、自分の不幸せはどこから来るのかを、四つのステップでその正体を知らなければいけません。男の人は男の人で、そんなに相手に対してやる必要もありません。自分の幸せをちゃんとした上で、奥さんのニーズを、できるところだけやってあげるぐらいでいいです。

小林 : でもほとんどのカップルが、心のニーズをお互いに満たし合おうという感じになっている気がします。

Nami : 第3ステップは、自分中心となっている思考に気が付くこと。もう一つは、先ほど挙げた15個の思考を考えて、一体僕はどんな人になろうと思っていたのかという、自分の理想像に気が付いていくこと。

小林 : 理想像の定義は何ですか。人生の目標やビジョンと理想像をごっちゃにしてしまう人もいると思います。

Nami : 「こんな生活がしたい」「こんな家に住みたい」という人生のビジョンというのはまた別物で、ここでいう理想像は、「自分はどんな人になりたいか」というふうに目標を掲げているのをやめたほうがいいと言ってます。自分はどんな人になろうと頑張っているのか、ということです。

小林 : 典型的な例はありますか。

Nami : 例えば、経営者の方だと、「成功者というのは、いつもシャキシャキ、バリバリ頑張っている」という定義の人もいれば、「成功者というのは、いつも自由快適で、人からも好かれて、人望も厚い」という定義の人もいます。人によって違いますが、自分の掲げる成功者になりたいと頑張っているとき、そしてそれにしがみついているときに苦悩が生まれる。しがみつくから、このような思考ができてくるということに気付く。

小林 : 女性も同じですか。

Nami : 例えば奥さんの立場の人と個人カウンセリングをしてみると、「完璧な妻になりたい」と頑張っている。でも「完璧な妻イコールキャリアウーマン」という理想像があって、小さいお子さんを持っている方は、家にいなくてはならないので、キャリアウーマンになれていない自分がいる。「完璧な親になりたい」という思いがあるので、家にいたい。仕事をバリバリして、華やかで、いつも笑っていてという理想像を持っている人が、家に置かれたときに苦しくなる。なぜなら、自分は貢献していないという気持ちが出てくるから。自分がどのような理想像を持っているかによって、周りは何もしてないのに、自分が苦しい。

小林 : 女性のほうが男性よりも、ライフスタイルの変化が大きい気がしますが、女性のほうが理想像に対して、自分の現状が思うようにならなくて悩む人が多いのではないかという気がしますが。

Nami : それはあまり女性、男性は関係なくて、例えば介護しないといけなくなったという表面的な変化はあるかもしれないけど、実は男性にも多いです。子どもが生まれた瞬間に、完璧な親にならないといけないというのが出てくるし、結婚して奥さんができた瞬間に重荷になったり、そういうプレッシャーがある。

完璧な夫にならないといけないし、完璧な夫であれば養わなければならない。完璧な夫、完璧なお父さんで頑張っているのに、そこで会社がうまくいかなくなったら、さてどうなるでしょうということです。お金を失った瞬間、全てボロボロです。自分の理想像がズタズタになる。それで苦しんでどうしようもなくなって、心の授業に来られる方もいます。

だけど結局四つのステップをしていって表れるのは、市場が悪くなって事業が落ち込んだだけなのに、それはシチュエーションであって、それイコール完璧な親かどうかというのは別物です。それに自分で気付かないといけない。

小林 : そこをリンクさせないということですか。

Nami : リンクさせないようにといっても、自分では分からない。でも四つのステップを通じることによって、「僕が苦しいのは、お金がなくなったから苦しいんじゃないんだ。僕が苦しいのは、自分で自分を批判しているからだ」。どう批判しているかというと、お金がなくなったから成功者じゃない、完璧な親じゃない、子どもを養っていけない、完璧な夫じゃない、俺、死ぬべきだってなる。

小林 : 人は勝手につくりあげた理想像で、自分で自分を批判したり、人を批判する。

Nami : 理想像にいかにしがみついていたか、あるいは全く意味のないことをやっていたんだというばかばかしさに気付いていきます。お金をなくした方のことを考えてみると、それはたまたま市場が落ちただけのことだよね、株が暴落しただけだよね、あるいはたまたま自分のミスジャッジだったね。

でもそれイコール自分が駄目人間ではない、それに気付くことによって、いかに自分が自分の理想像とシチュエーションをリンクさせていたんだなということに気付いて、「その必要ないじゃん」ということで、スッと美しい心の状態に戻ります。

小林 : 最後のステップは?

Nami : 第4のステップは、スッと美しい心の状態になったところで、正しい行動を考えていく。苦悩の心からもがきながら出す答えというのは、衝動的な行動しかできない。苦しみながら出す答えというのは、ある一定の結果は出たとしても、素晴らしい結果ではないはず。

だから、トップの経営者たちは知っています。この状態から出した結果はうまくいってなかったということを、経験上知っています。だからこそ、美しい心の状態にする方法を知りたいということで学びに来ます。

小林 : ビジネスして、リタイアしたら幸せという理想像があったとして、リタイアしたその後の人たちはどんな感じですか。外から見てると、いいなあと思いますが。

Nami : 宗教の話は置いておいて、例えば、天国を信じている方がいるでしょ。でも「天国って本当にあるの?」と自分に尋ねてみなければいけない。なぜならば、天国を信じている人ほど、自分の人生を駄目にしてしまう人が多い。苦しみ抜くのが当たり前だというふうにして死んでいく人が多いからです。自分が苦しむことで、死んだ後に天国があるはずだと決めてしまうんです。そうすると、第1ステップが始まらない。こういう信仰を持っている人は、この人生では苦しむのが当たり前と思ってしまっているから。そうすると、第1ステップの「美しい心の状態に戻らないといけない」というのが出てこないんです。だから、天国を信じてはいけない。

夫婦生活にも使える4STEPの日常的な使い方

小林 : Namiさんも、この四つのステップを日常的にやってますか。

Nami : やってます。

小林 : あらたまってやるのか、苦悩の感じが出てきたら瞬間的にやるんですか。

Nami : イライラしたり、キレた瞬間です。

小林 : どういった感じでやるのか、イメージを教えてください。

Nami : 以前よくあったんですが、普通に夫婦生活をしている中で、夫から言われた言葉にカチンときた瞬間。その瞬間はしょうがないんですが、あとで「なんで私、あのとき傷ついたんだろう」と自分で瞑想します。瞑想しながら、ステップを取っていく。そうすると、自分の理想像が見えてきます。「私、完璧な妻になろうと思っていなかったかな」「いつまでも若くいようと思ってなかったかな」といろいろなことが出てきます。

それで自分のことがよく分かるし、相手も責めなくなる。相手は、私を傷つけようとして言っている言葉ではないんです。ただ言った言葉なんだけど、それに傷つくというのは、自分がどんな理想像にしがみついているかを知らなければいけないというレッスンです。仕事しているときに、業者さんなどからメールで何か嫌なことを言われたとする。「なんでこの人、私に対してこんな扱いをするんだろう」といって、普通なら衝動的な行動で、「あなたなんて最悪」「あなたなんか知らない」とやってたかもしれない。

そこでちょっと一息置いたときに、瞑想しながら四つのステップをする。なぜ自分は、あの人の一言に傷ついているんだろうということです。そうすると次に同じシチュエーションがあっても、なんともない。

小林 : 自分が理想像にしがみついているなと分かって、手放す。

Nami : そうすると、この人が意図的にやっているのであれば、対処方法が分かる。意図的にやっていないのであれば、別に何も苦悩に思う必要がないから、いい関係を築いていくことができる。

ビジョンがどの状態から来ているかを確認する

小林 : 僕のコミュニティーには、自分でビジョンやゴールを掲げて、それを達成していくという価値観のある人が集まっていますが、ともすると自分の目標に対して、できていない自分を感じて苦しくなる人もいると思いますが。

Nami : 「ビジョンを掲げるな」と言ってるのではありません。目標を掲げてもいい。だけどこの目標設定が、美しい心の状態から来ているビジョンなのか、それとも苦悩の状態から来ている目標設定なのかということに、気付いていかないといけない。

例えば美しい心の状態から来たビジョン設定で、自分の会社が10億円稼ぐようになりたい。それによって会社の人たちがみんな幸せに生きることができ、会社の人たちの家族が幸せに生きることができて、お給料を払うことができて、ちゃんと税金を払うことで日本全体が潤う。しかも自分たちの提供しているサービスによって、いかに人の暮らしが快適になるかというための10億円ならいいです。

ただ、苦悩の心の状態から設定された10億円だと、「10億円あれば大きな家が買える」「大きなプライベートジェットが買える」だったり、「10億円あれば僕の価値を認めてくれるのではないか」と、自分の存在を認めてほしい人はそういう設定になる。「10億円あれば女性たちが僕のことを見てくれるんじゃないか、そうすれば愛してくれるんじゃないか」と、愛が足りない場合はそういう設定になる。

お金の目標設定は構わないですが、その裏に潜むのが自分の心の状態で、これが苦悩の心の状態から来ているものなのか、自分の理想像をもとにしたビジョン設定なのか。あるいは人のために、人の家族のために、日本全体のためにやろうと思ったビジョンなのかの違いです。

小林 : 人とつながっている状態で描くビジョンに対して進んでいるうちは、大丈夫なんですね。苦悩の状態から掲げた、本来のビジョンではないものに向かっていくのは、苦悩の連続という感じですね。

Nami : そうです。ずっと苦悩のままで、落ち込んだり、うつになったり、空虚感がある。なぜかというと、自分の心の中を見ていないまま設定された1000万円だったからです。

小林 : 彼も、もしかしたら最初の心の状態の設定がずれていたかもしれない。

Nami : 可能性があります。今回四つのステップをやってみて、自分はどんな人になりたいと思って、この目標設定をしてきたのかに気付いていくべきです。なぜ成功者にならないといけないかということです。なぜ1000万円稼がなくてはいけないのか、そこにヒントがあります

Namiさんの日本での活動について

小林 : “悩める30代、心は10代さん”は、ぜひ四つのステップに取り組んでみてください。もっとNamiさんから学びたいという人たちがいるわけですが、今後の日本での活動など、どんな活動をされているか教えてください。

Nami : 個人カウンセリングは随時行っています。ご興味がある方は小林さんへ。

小林 : あとでリンクを出します。

Nami : 大きなセミナーを今年6月に予定しています。

小林 : どんな内容ですか。

Nami : 海外から、心や意識について授業をしているエキスパートを集めて、豪華メンバーで4泊5日のセミナーをします。

小林 : 僕はそれを学ぶためにインドに行かなくてはいけませんでしたが、今度は日本でやっていただけるんですね。

Nami : しかも哲学の先生を2人、プラス私1人、プラス協調された河合さん、プラスヨガのエキスパートの先生をドイツからという豪華メンバーですので、ぜひ皆さんに来ていただきたいと思います。

小林 : 僕の人生が変わったタイミングはどこかなと思うと、あのインドのメディテーションのレッスンでした。ぜひ皆さんにも体験していただきたいと思います。

Nami : メディテーションだけでは駄目ですが、メディテーションは必要です。四つのステップをすることプラスメディテーションがあることで、両方で攻めることができる。四つのステップで、自分で頭で分かっていたとしても、それを心に落とすような体ができていなければ駄目なんです。メディテーションをすることで、マインドを静かにさせることができて、意識が深まる。メディテーションの終わり頃になると、随分深いところにいる感覚がなかったですか。

小林 : ありました。

Nami : その感覚であれば、人とつながっている、全ての宇宙とつながっているという、本当の意味での意識の勉強が体感できます。メディテーションは、人生のコンディショニングということで、毎日やっていただきたいです。

小林 : 歯を磨いたり、ご飯を食べるように、日常の中に入れていくということですね。

Nami : そうです。

小林 : では、今日はこの辺りで終わりたいと思います。引き続き学びたい方は、著書や、セッションや講座にご参加してみてください。それでは、メディテーションや心のレッスンを、日常に取り入れていきましょう。今日はハワイからアロハということでお届けしました。