【藤井 孝一】大人の週末起業

最終更新日:2019年10月10日

「大人の週末起業」著者藤井孝一さんとは?
時代や働き方の変化に応じた『週末起業』のあり方
藤井さんが経験したリタイア生活の問題点
専門性や趣味を活かした週末起業の成功事例
リタイア後も安心して生活していくために、設定しておくべき収入の範囲
第二の収入源を確保して、楽しく長生きする方法
知識やスキルが賞味期限切れにならないための大人の勉強法
人を成功に導くコーチングスキル
週末起業をする際におススメの集客方法
藤井さんが考える、専門家としての営業
本業の出世にもプラスに影響する週末起業
他業種の方とのつながりも広がる、週末起業コミュニティ
出版を考えている方へ、藤井さんからのアドバイス

『大人の週末起業』著者藤井孝一さんとは?

【藤井 孝一さんプロフィール】

・経営コンサルタント(中小企業診断士)
・株式会社アンテレクト取締役会長

1966年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。独立・起業を目指すビジネスパーソンに対し、ノウハウ提供やアドバイスなど、実践的なサポートを行う。特に、かつて「副業」と呼ばれていた「在職中から起業する」スタイルを「週末起業」と名付け、その普及に東奔西走する。この活動を加速させるため、2003年に「週末起業フォーラム」を創設、1万人を超えるビジネスパーソンが学び、独立・開業を果たす。さらに、ビジネスパーソンの自立を、教育コンテンツ、パートナーシップ、インフラの面からも支援するために、株式会社アンテレクトを創設、経営を行っている。
著書に代表作『週末起業』(筑摩書房)のほか50冊以上。うち、いくつかは中国、台湾、韓国でも刊行されている。

【著書】『大人の週末起業』
【公式HP】藤井孝一さんオフィシャルサイト

小林 : こんにちは、教育スクールビジネス研究所の小林正弥です。今回の著者対談は、週末起業を提唱されている藤井孝一さんにお話を伺っていきます。よろしくお願いします。

藤井 : よろしくお願いします。

小林 : ちょうど藤井さんが、『大人の週末起業』を出版されたタイミングで、今回インタビューをさせていただけることになりました。この週末起業、ある意味、藤井さんが時代をつくられたなと感じていますが、週末起業という言葉が生まれたエピソードを聞かせていただけますか。

藤井 : 20年前、私自身はまだ普通に会社に勤めていた頃ですが、某金融系の会社の営業マンをやっていましたが、このままでいいのかという不安をすごく感じていました。当時30代前半ですね。終身雇用もこのままではもたないだろうし、当時不景気でリストラや倒産する会社がありましたので、自分に力をつけておかなきゃいけないと思って、資格を取って独立しようかと思ったのですが、いきなり独立は怖いので、会社にいて給料もらいながら、いろんなビジネスをやっていたところ、意外とうまくいってしまいました。

給料と同じくらい副収入で稼げるようになったので、独立できるなと思ったのと、このやり方をみんなに広めていきたいと思いまして、出版社に企画を持ち込みました。それで『週末起業』というタイトルの本が出ました。

小林 : 今まで本をたくさん出されていますが、『週末起業』はどれくらいベストセラーだったんですか。

藤井 : 筑摩書房で出したのですが、30万部くらいです。

小林 : ビジネス本は3万部いけばヒットと言われていますが、その10倍以上ですね。30万部超えてくると社会ブームというか、そのとき本が売れていって、世の中に何か変化など感じられたことはありますか。

藤井 : 起業なんて考えてなかった人にも、「週末にやるなら」ということで響いたのかなと思います。普通は今の会社に勤め続けるか、転職か、それしかなかったのですが、起業という働き方を提唱したことが、起業本としては結構売れたことの理由の一つかと思います。

時代や働き方の変化に応じた『週末起業』のあり方

小林 : その本を出されて20年たって、『大人の週末起業』を出されましたが、なぜ、あらためてこの本を出されたのですか。

 藤井 : 一番大きい理由は、世の中を取り巻く状況が変わってきたということがあります。最初の『週末起業』を出したときは、景気がすごく悪くて、終身雇用や年功序列など、それまで普通のサラリーマンが当たり前だと思っていた価値観が、音を立てて崩れ出した頃です。このままなんとなく勤めていても、雇用は保証されないし、大変なことになるということで出したのが、20年前の『週末起業』です。

それからリーマンショックなどいろいろ変化がありましたが、今ここに来て、会社勤めの人が新しい危機に直面していると思います。危機という言い方がいいかどうか分からないですが、長寿という問題が起きてきました。今までは60歳まで働いて、その後は悠々自適、リタイア生活が普通だったと思いますが、これからは人生時代といわれて、会社やめてから40年生きていかなくてはいけない。40年勤めて、さらに40年ということで、定年退職はただの折り返し地点です。40年リタイア生活になったとき、年金ももらい続けるのも難しいでしょうし、それ以上に仕事をしたい、やりがいが欲しいと思う方が多いと思います。そういう人たちが、今の会社に40年間勤めるわけにもいかないし、どうすればいいかということで、かなりの方が悩まれているという現実に直面して、どうしたらいいのかなと考えたのがきっかけです。

藤井さんが経験したリタイア生活の問題点

小林 : 藤井さんご自身はビジネスで成功されて、50歳のときには事業承継されて、リタイア生活をされていましたけれど、それが思ったようなハッピーなリタイア生活ではなかったと書かれていましたが、そこをちょっと教えていただけますか。

 藤井 : 割と前倒しで生きてきて、おかげさまでセミリタイアというか、会社の役員は続けてますが、会社に行かなくてもいいようなライフスタイルになりましたが、暇ですよね。ジムに行って、午後はなんとなくおいしいものを食べて、好きな本を読んでという生活に憧れていて、それを50歳で手に入れましたが、毎日そういう生活が続くと飽きますよね。友達と遊べばいいじゃないかと言われますが、そういう人たちは60代、70代、自分よりもひと回り、ふた回りも上の人たちばかりで、なかなか話も合わない。仕事をしたいなと、素直に感じました。人間は、仕事をすることで人ともつながっているし、世の中の役にも立っているし、お金だけではない、いろんなものを得ているんだなということを、ひしひしと実感しました。

 小林 : 人よりも前倒しで経験して、こうなるんだよということを教えてあげているんだなと思いました。

 藤井 : 私自身、器用な人間ではないので、自分の経験していないことを考えて提供することはできなくて、自分が会社にいていろんな不安や問題意識を持って、それを自分で解決して、それがうまくいったので人に伝えるというスタイルでやってきました。前倒しでリタイアしてしまったので、リタイアすることの問題点や落とし穴、そういったことに気付いて、それをあらためてまとめたのが今回の本といえるかと思います。

専門性や趣味を活かした週末起業の成功事例

小林 : 今まで藤井さんが指導されてきた中に、どんな週末起業の事例がありますか。

 藤井 : この本で、コンサルタントやコーチなど、自分の得意な分野や経験を生かして、専門家として活躍しようということを提唱しています。今までの週末起業では、会社にいながら何かビジネスをするのであれば、なんでも好きなことをすればいいんじゃないですかといっていましたが、この『大人の週末起業』では、専門家に特化してやることをおすすめしています。一般的に多い例は、例えば不動産の会社に勤めている方が、不動産コンサルタントとして独立してやるとか、生命保険会社に勤めている方が、保険の専門家として、自分の会社の保険以外のものも含めて販売するとか、これまでの会社の経験を生かしてコンサルタントになるというケースがすごく多いです。

 小林 : ダイエットコーチもされていましたね。

 藤井 : 本業以外でいうと、ご自身がものすごく短期間にダイエットに成功された方で、ダイエットコーチとして活躍する方もいますし、メーカーのエンジニアとして働いていた方が、実は趣味がボディビルで何十年も筋トレをやって、大会で入賞したという経験を生かして、筋トレのトレーナーとして活躍するという例もあります。

 小林 : それはすごく幸せな人生ですよね。

 藤井 : 会社の仕事が嫌だから何かやりたいという方もいらっしゃるので、そういう方は趣味や特技を生かしてやるのもいいのではないかと思っています。

リタイア後も安心して生活していくために、設定しておくべき収入の範囲

小林 : 藤井さんはご自身が前倒しで、失敗しないというのがすごく強みだなと思いますが、大人の週末起業で、失敗せずに人生100年時代を生きていくには、どれくらいの週末起業からの収入を目指すのがいいでしょうか。

 藤井 : リタイアして年金もあまりあてにならないと言いましたが、年金もゼロになることはないと思うので、世帯で8~10万円の副収入があれば、年金と併せてそれなりに好きなことをやりながら、安心して暮らしていけるのではないかと思います。

 小林 : 年間100万円くらい稼ぎがあればということであれば、だいぶハードルが下がりますよね。

 藤井 : 月に10万弱の収入であれば、誰でもやりようによって稼げると思うので、その辺りを目指していけば大丈夫じゃないかと思います。

 小林 : お金がいっぱいあったら幸せになれるという幻想があると思いますが、藤井さんがお金や時間を手にした中で、幸せに必要なお金というのは、実際どのような感じですか。

 藤井 : きりがないのは事実です。経営者ともたくさんお付き合いしていますが、どんなに稼いでいる人でも、お金だけを目標にしている人は満足しないです。“足るを知る”という言葉がありますが、「ここまで稼いだらいいや」という、それ以上は求めないのが大事ではないかと思います。

極端な例ですが、私の知り合いで、車もいい車、軽井沢に別荘持ってという人もたくさんいますが、自分が軽井沢に別荘を持っても、別の人が自分よりも大きい別荘を手にすると、うらやましくなって、そっちが欲しくなって、その間すごく不幸なんです。運転手付きの車を持っていらっしゃる方がいて、満足かなと思うと、「知り合いの経営者は、自家用の飛行機を持っているから、自分はまだまだなんだ」とおっしゃる方もいます。それが原動力になっているのであれば素晴らしいと思いますが、自分なりの「どこまでいけば幸せか」というのを決めて、それが手にできたら、それ以上求めないというのが大事なことではないかと、僕は思います。

 小林 : 前倒しで経験されているからこその、実感のあるお言葉ですね。

藤井 : 大きく稼ごうと思ったら、大きくリスクも取らないといけません。会社を大きくするとリスクも大きいし、たたむのも大変なんです。僕は今回、後継者も見つかって、いい具合に退くことができましたが、後継者の問題は、本当に経営者の皆さん持っていらして、50、60になってから、会社がどんどん大きくなってしまったら、体も気持ちも休まる時間がないんじゃないかと感じます。

 小林 : 自分でつくった事業は、なかなかやめられないというのがあると思いますが、そこはなぜ、藤井さんは上手に代替わりできたんですか。

 藤井 : 引き継いでくれた人が優秀だったということに尽きます。創業メンバーで一緒にやってきた副社長なんですが、トップとナンバーツーは全然違うので、ナンバーツーにもトップの経験をしてもらいたいという思いもあって、その思いをぶつけて、納得して理解してもらった上で引き継いでもらった、そこがよかったのかと思います。

 小林 : 創業から10年、20年のお付き合いになるのですか。

 藤井 : 付き合いとしては20年以上になります。

第二の収入源を確保して、楽しく長生きする方法

小林 : 週末起業を始めて起こる、失敗のリスクや金銭的なリスクというものは、現実的にはどんなものですか。

 藤井 : 週末起業は、お金もかけないし、会社も辞めずに始めるので、そういう意味ではあまりリスクはないですが、強いて言うなら、会社にばれて、会社をくびになるというのは、考えられますね。

 小林 : 勢いあまって会社を辞めるのは、あまりおすすめしないと書かれていましたね。

 藤井 : 安易に辞めないということです。会社勤めして、月に10万くらい入ってくると、何か勘違いしてやめてしまう人が結構いますが、月10万だと生活厳しいですよね。辞めたことで、収入が2倍、3倍になるならいいですが、なかなかそううまくはいかないので、どれだけの見通しが立つのか、慎重に判断した上で辞めてくださいということを、アドバイスしています。

 小林 : 藤井さんのすごいところは、事前対応だと思いますが、それはシミュレーション能力というか、未来が見えているからなのかと思います。30代、40代、50代の人たちに、これからどんな未来がやってくるんでしょうか。

 藤井 : 明るい面と暗い面があって、暗い面に関しては、お金の問題は深刻だと思います。この間も政府が2000万円用意しないと老後が厳しいと、ぽろっと言ってしまいましたね。一生懸命火消ししていますが、現実的にはそのとおりだと思います。年金が完全に崩壊することはないと思いますが、年金だけで生活を成り立たせるのは、かなり厳しい時代になってくると思うので、お金のことを今から考えておかないといけないと思います。

 小林 : それをちゃんと言ってくれる人がいないですよね。

 藤井 : ちょっと言うと炎上してしまうので、政治家や役所の人は言えないと思います。明るい面もたくさんありまして、長寿というのはそもそも朗報だと思います。医療も進歩してますし、皆さん若々しいですよね。会社をやめてからも、やりたいことがいろいろできる時間を享受できます。今まで会社勤めをして、いろいろ頑張ったけど、やりたいことができなかったという方は、リタイアしてからもう一回できると思うので、その時間を使って、本当にやりたかったことをやれたらいいのではないかと思います。

小林 : 会社からのベーシックインカムをもらいつつ、第二の収入源を確保した上で、楽しく長寿を生きるということですね。

知識やスキルが賞味期限切れにならないための大人の勉強法

小林 :次に、勉強法についてお伺いします。学校教育を受けて、会社に勤めて、リタイアするという3ステップだったのが、教育を受けて、会社員になって、さらに週末起業するという終わりなきサイクルがあるということですが、今まで培ってきたものの賞味期限が切れた場合、学び直しが必要だと思います。そういった場合の大人の勉強法について教えてください。

 藤井 : 知識やスキルには、賞味期限がありますよね。私が独立した当時、メルマガというものが新しいメディアとして注目されていて、それを生かして起業の原動力にしましたが、それから20年たって、メルマガもかつてのようには読まれなくなりました。メルマガ以外のメディアがたくさん出てきました。それを生かすためには、絶えず学んでいかなくてはなりません。学びの方法としては、本や勉強会。本は一方的なインプットだけなので、交流する場に参加することも大事だと思います。

 小林 : いろんな勉強会を主催されていますが、今はどんなことをされてますか。

 藤井 : 一つは、週末起業を柱にした起業教育というものをやっています。スクーリングでやったり、ネットや通信教育をやったり、いわゆる教育をやっています。もう一つは、コーチングという事業をやっています。いろんな質問をして、相手の気付きを得て、行動につなげていくというコミュニケーションスキルの一つですが、これを実践する人を育成するスクールをやっていまして、銀座コーチングスクールという名前です。大きくはこの二つです。

人を成功に導くコーチングスキル

小林 : 僕たちも今コーチングを学んでいますが、人間が機械に置き換わらない仕事が何だろうといったときに、コーチングのスキルというのは、人間たるスキルかなと思っています。銀座コーチングスクールは、いつ設立されましたか。

 藤井 : 1998年、20年前です。

 小林 : 一般的にコーチングが言われる前ですよね。

 藤井 : 言われ始めた頃ですね。話し方や伝え方が学ぶべきコミュニケーションスキルといわれていた時代に、そうではなくて、相手の話を聞くスキルというものもあり、当時アメリカではそういうものが主流になってきていると聞いたものですから、これは新しいなと思って、自分自身も学び、人に教えるスクールを始めてみようと思ったのが、20年前になります。

 小林 : どんなことを学ぶスクールですか。

 藤井 : コーチとして、コーチングスキルを身に付けて、会社で部下とのコミュニケーションに生かしたり、プロのコーチとして独立しようという方もいらっしゃいます。

 小林 : ダイエットコーチにしても、ファイナンシャルのコンサルタントにしても、自分の専門性とコーチングスキルを掛け算すると、非常に独自性が出ますよね。

 藤井 : そうなんです。自分が会社で培ってきた経験を生かして独立するときに、コーチングスキルを生かすと、割と新しいビジネスを始めやすいです。例えばダイエットしたいと思いながらうまくできない人に対して、ダイエットで成功した人がコーチングスキルを生かして、なぜうまくいかないのか、どうすればいくと思うのかということを、どんどん相手に聞いていくことによって、クライアントをダイエット成功に導いていくと、すごくうまくいきます。自分自身がダイエットに関する、ものすごく高度な知識を持っていなくても、寄り添って成功に導くということだけで、クライアントのお役に立てることになるので、まずはコーチングスキルを身に付けていただくことを提唱しています。

 小林 : コーチングによってクライアントさんや受講生に行動変容を促せるというのが、選ばれる売りにもなりますよね。

 藤井 : 人はいい話を聞いたり、ためになる話を聞いただけでは変われなくて、それよりも自分が気付いて、自分で発言して、自分で決めていかないと、変わっていけなくて、それをお手伝いするのがコーチだと思っています。起業の勉強しているけど、いつまでたっても起業できないという人がたくさんいますが、なぜかというと行動してないからです。

「本を読みました」と言ってくださる方でも、1年後ぐらいに「どうでしたか」と聞くと、「結局何もやってません」とおっしゃる方がすごく多いですが、なぜできないのかということを、コーチングスキルで掘り下げていくと、いろんな原因にご自身が気付いて、ご自身がそれを解決するということで、起業の成功に導いていける、それがコーチングなので、起業に限らず、ダイエットでも筋トレでも不動産投資でもいいんですが、全ての分野にコーチングは生かせると思うので、ベーシックスキルとして学んでおくといいのではないかと思います。

週末起業をする際におススメの集客方法

小林 : 『週末起業』で自分の売れる専門性を見つけて、銀座コーチングスクールでコーチングを学んで、これを掛け算したら、月に8~10万円を稼ぐということは、すごく現実的ですね。

 藤井 : そうされている方は、結構いらっしゃいます。

 小林 : 分かりやすいビジネスのつくり方ですね。

 藤井 : コーチングはまだメジャーな職業ではないので、「コーチで食べている方、いますよ」と言うと、皆さんびっくりされますが、質問するだけですからね。自分が何か専門知識を持っていて、それを伝えていくのではなくて、どんどん質問していくだけですから、「そんなので仕事になるの?」と皆さん思ってらっしゃいますが、それが結構仕事になるんです。それで生計を立てていらっしゃる方は、我々の卒業生の中にはたくさんいらっしゃいます。

 小林 : コーチなりコンサルタントとして、これから週末起業をやるぞという商品・サービスができたときに、次のステップは顧客獲得になりますが、ここはどういうふうにやっていきますか。

 藤井 : 我々のメソッドとしては、まずは情報発信。私の場合メルマガでしたが、今で言うとブログであったり、ソーシャルメディアというもので、「自分はこういう人間で、こういうことをやっていますよ」ということを広めていきましょうというところをきっかけにするように、アドバイスしています。

 小林 : そうすると、書く力も求められますか。

 藤井 : 今はYouTubeもありますので、書くのが苦手な人は、話をする、ということでもいいと思います。まずは自分がこんな人間で、こんなことをやっていて、こんな方のこんな問題が解決できますよということを、広く発信していかないことには、誰もそれを知り得ないので、まずはそれを発信していくことがスタートかと思います。

藤井さんが考える、専門家としての営業

小林 : 顧客獲得において、「営業をしてはいけない」というのは、どういうことですか。

 藤井 : 専門家というビジネスということが大前提ですが、専門家はお客さまから「先生」と呼ばれる仕事です。私も「先生」と呼ばれますが、先生なので、売り込む人じゃないんです。売り込む人って、尊敬できないじゃないですか。

 小林 : 確かに営業マンを「先生」と呼ばないですよね。

 藤井 : 極端なことをいうと、お医者さんは先生ですが、お医者さんはいろいろなものをおすすめしてこないですよね。「この薬を飲んだほうがいい」「こんな治療法があるから、これを買ったほうがいい」とか言われると、かなり引いてしまうと思います。

 小林 : 逆ですよね。先生「何が必要ですか」と向こうから尋ねられますよね。

 藤井 : 「助けてください」と言われるのが先生だと思うので、先生稼業はそういうブランディングをしていかなきゃいけないと思います。とはいえ、顧客は絶対に必要で、お医者さんだって患者さんがいないと成り立たない仕事なので、そう考えると、いかにお客さまのほうから、「先生、手伝ってください、助けてください」と言ってもらえるようにするかというのが、専門家の営業だと思っていて、そのやり方をこの本で提唱しています。

本業の出世にもプラスに影響する週末起業

小林 : こちらの本に、自分の年表をつくるとか、価値やスキルの棚卸から売り方まで、すごく順序立てて書かれてます。

 藤井 : セミナーをやりましょうとか、セミナーに来た人に個別相談をやりましょうとか、そういうステップは紙面を割いて解説しています。

 小林 : 藤井さんと同窓生のエピソードがありましたが、ご友人がどうなったかは読んでいただきたいのですが、そのエピソードはすごく入ってきました。

 藤井 : 実際私が同窓会で結構深刻な顔で相談されたので、何回かに分けてアドバイスして、うまくいったよということを紹介しています。

 小林 : 今そのご友人はどんなお仕事で、どんなライフスタイルをされていますか。

 藤井 : 彼は会社を辞めたくて僕に相談してきたんですが、不動産のコンサルタントで、富裕層相手のビジネスを成功させてしまって、それがきっかけで会社でも役員に抜擢されて、出世してしまって、なかなか辞められないことになりました。「役員になるのもそんな簡単なことではないので、二足のわらじで行けるところまで行ったら?」とアドバイスして、今も会社勤めしながら、空いてる時間に自分のコンサルタントの仕事もして、かなり満足して充実した日々を送っています。

 小林 : 今、会社も副業解禁になっていますが、本業の出世にも結果的に役立つというストーリーもありますか。

藤井 : 実はそういう方が多いです。会社を辞めたくて、我々のところに学びに来るのですが、経営者の視点が身に付いたことで出世しちゃったとか、支店長任されたとか、結構いらっしゃいます。会社勤めって、すごく専門に特化しているじゃないですか。経理の人だと、経理の仕事しかしない。そうすると営業のマインドが分からなかったりして、分業していることの弊害だと思ってますが、長く働くうちにバランス感覚を失う人が多いです。でも週末起業、小さいビジネスであっても、何から何まで自分でやらなきゃいけないので、経営者の目線が育まれていきます。それが組織で働く上でも、すごく重要な目線だったりして、それが身に付くことで、あれよあれよと出世してしまったという人が何人かいらっしゃいます。

他業種の方とのつながりも広がる、週末起業コミュニティ

 

小林 : 週末起業でビジネスのノウハウを学ぶことによって、本業でも活躍できるということですね。

藤井 : よく企業の研修で、経営者ゲームみたいなものをやりますが、あれを実際にやるようなイメージです。

小林 : 一番のリスクは、会社に黙ってやってくびになることぐらいで、金銭的リスクもほとんどないし、ビジネスゲームみたいな感じでやるといいのかもしれないですね。

藤井 : 箱庭的に、小さいビジネスとしてやったらいいと思います。収入源は給料があるわけですから、空いた時間に自分のできる範囲でやる。リスクがたくさん取れる人は、お店を開いてやってもいいと思いますが、ほとんどの人はそうじゃないと思うので、自分のリスクの取れる範囲で、小さい中でやっていったら、それはそれで得るものはあると思います。

 小林 : とはいえ、1人でやれる人もいれば、同志を求める人もいると思いますが、藤井さんが主催されている週末起業のコミュニティは、横のつながりもありますか。

 藤井 : 週末起業で成功して独立した人の中には、横のつながりを求めている人も多いので、私のところで経営者の勉強会をやっていますので、そこで学んでいる方もいらっしゃいます。

 小林 : 僕は現実的に思いますが、うまくいっている人の近くに行くのが、一番成功確率が高いなと。

 藤井 : 本当にそのとおりだと思います。会社に勤めていると、起業家との接点を持つ機会があまりないと思うので、そういう意味ではすでに起業されている方の中に混じって、勉強なり、お付き合いすると、目線が変わってくるんじゃないかと思います。

出版を考えている方へ、藤井さんからのアドバイス

小林 : 詳しくは藤井さんのホームページや、書籍から情報が得られますので、ぜひ体験してみてください。専門家として世の中に発信していくメッセージ性が一番強いのは出版だと思いますが、これから出版したいという人もいると思うので、その人たちに何かアドバイスいただけますか。

 藤井 : 一つアドバイスするとしたら、人が読みたいものを書かないと駄目だということです。いろんな企画が僕のところにも持ち込まれますが、自分が書きたいことを書こうとする人がすごく多くて、一番極端なのは自分の自叙伝を出す。でもそれを誰が読みたいのかということです。世の中で今どういうコンテンツが求められていて、どういうものを知りたがっているのかを考えた上で、そこに自分の知識や経験が生かせるということであれば、それを企画して本を出されたらいいと思います。

もう一つ言うと、反対に「まだまだ本は早いです」とおっしゃる方も多いですが、僕は専門家が書くのが本ではなくて、専門家になるために書くのが本だと思います。僕も『週末起業』を出したとき、起業のことをまだ全然知りませんでした。でも本を書くために、ものすごく調べたり、起業家に取材に行ったり、それは大変でしたが、本ができあがったときには、それなりに起業のことを語れるようになっていました。なので専門家だから本を書くのではなくて、本を書いて専門家になるということを覚えておいてもらうといいのではないかと思います。

 小林 : すごく背中を押されるメッセージですね。最後に藤井さんの今後のビジョンや活動について、教えてください。

 藤井 : 現役のビジネスパーソン向けに、起業のあり方をアドバイスしてきましたが、これから人生どんどん長くなっていきますので、リタイアした後に第二のビジネスというか、本当にやりたい仕事、そういったものを実現するお手伝いを、セミナーや本、個別のコンサルティングという形でやっていきたいと思っています。

 小林 : ありがとうございます。今回は、『大人の週末起業』を出版された藤井孝一さんにお話を伺いました。

 藤井 : ありがとうございました。

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