反転学習(反転授業)とは?メリット・デメリットと導入事例を解説

最終更新日:2020年9月11日

反転学習(反転授業)とは、生徒が事前に自宅で予習動画を見て知識を学び、授業では演習や確認テストなどを通して理解を深めるという学習方法のことを指します。

近年、新しい生活様式が浸透し、また、文部科学省が推進する教育現場のICT化が日本全国のさまざまな教育現場で加速している中で、eラーニングや反転学習への注目度が年々高まっています。
オンライン学習やアクティブラーニングなどとあわせて行われる反転学習は、これからの時代の学びにおいて、絶対に抑えておくべき重要なキーワードのひとつと言えるでしょう。

とはいえ、導入するには具体的にどのようにすればよいのかわからないですし、反転学習が本当に役に立つのかをすぐに判断することは難しいと思います。

そこでこの記事では、

  • 反転学習が注目を集めている理由
  • 反転学習のメリット、デメリット
  • 教育機関での導入事例、問題点

など、反転学習に関するさまざまな役立つ情報をご紹介します。さらに、反転学習についてしっかり解説していきます。

この記事を読むことで、反転学習についての理解を深め、あなたの必要としている情報を見つけることができるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください!

1.反転学習(反転授業)とは?

従来の学習と反転学習

反転学習は1990年代に考案された新しい学習方法で、反転授業とも呼ばれています。

反転学習では、生徒は自宅で動画を見て知識を習得し、その後、教師と直接対面する授業で、知識を応用した演習などを通して理解を深めます。

従来の、一般的なスタイルの学習方法と比べると、次のような違いがあります。

<反転学習と従来の学習方法の違い>

  知識の習得 理解を深める
従来の学習方法 授業で講義を聞く(受動的) 自宅で宿題をする
反転学習 自宅で動画を見る 授業で演習を行う(能動的)

従来の学習方法と反転学習とで、「授業の内容・役割」が変わっていることがわかるでしょうか?

生徒にとって、講義を聞いて知識を習得するだけ(受動的)だった授業が、グループワークや演習を通して理解を深める能動的な活動に変わっています。また、自宅での学習も、宿題をして理解を深めるというものから、動画を見て知識を習得するというものに変わっていますね。

このように「内容・役割」が入れ替わっている(反転している)ことから、この新しい学習方法は、従来の学習方法に対し「反転学習」という名称で呼ばれています。

2.反転学習が注目される背景

反転学習は1990年代に開発され、日本でも2012年頃から小中学校や大学で、少しずつ試験的に導入され始めました。
しかし、学校、自宅でのオンライン環境の整備や、教材の準備のための負担が大きいといった理由から、本格的な導入には至らなかったというケースも多く、反転学習が大きく広がっていくことはありませんでした。

ところが近年、小中学校、高校、大学、専門学校などの教育機関、塾やさまざまなスクールにおいて、反転学習を取り入れる、あるいは導入を検討するケースが増えてきているようです。

これには大きく2つの理由が考えられます。

  • 反転学習による大きな学習成果
  • ICT教育環境の整備

1) 大きな学習成果が期待できる

まずひとつ目は、反転学習による学習効果が期待されているということがあげられます。

反転学習を導入する理由として、「受動的になりがちな授業をなんとかしたい」という問題点を上げているケースが多くあります。
講義を黙って聞いているだけの授業では、生徒はどうしても受け身の学習になってしまい、自主的に学ぼうとする意欲を持って取り組むことができません。また、画一的な授業では、授業についていけない生徒、逆に、授業をつまらなく感じてしまう生徒も出てくるでしょう。

反転学習ではアクティブラーニングによる能動的、自主的な学習が可能です。
また、生徒の習熟度に合わせて予習時間を調節することができるので、レベルに応じた効果的な学習ができます。従来の学習方法に比べて自宅での学習時間が増えることで、学力の向上も期待できます。

さらに、グループワークなどの演習を通して生徒がアウトプットする機会が増えるということも、大きなメリットです。
反転学習を実施した学校では、生徒のコミュニケーション能力がアップしたという報告があげられています。

2) ICT教育環境の整備

そして、もうひとつの大きな理由として、教育現場におけるICT環境が整ってきたことで、反転学習に欠かせない自宅でのオンライン学習が可能になってきたということがあります。

今までは、各家庭、学校でのオンラインによる学習環境があまり整備されていなかったため、全ての生徒に対してオンライン学習を行うことができませんでした。

しかし近年、スマホ、タブレット、ゲーム、家電製品にまでネット接続されるようになり、学校や公共機関でもWi-Fiによる接続サービスが提供されるなど、ネット環境があることが当たり前の状況になりつつあります。
さらに、在宅ワーク、在宅学習が広く行われるようになってきたことで、家庭でオンライン学習を行うための環境整備が一気に加速!多くの教育現場で、反転学習を導入することが可能になったというわけです。

3.反転学習の3つのメリット

反転学習の3つのメリット

反転学習を行うことで、どのような成果が期待できるのでしょうか?
従来の学習方法と比較した、反転学習のメリットをあげてみたいと思います。

<反転学習のメリット>

1 自分のペースで学べる ・繰り返し学習できる
・早送りすることで時短できる
・休んだ場合でも知識の習得ができる
2 授業で理解度を確認できる ・先生と生徒が直接かかわる時間が増える
・生徒の理解をその場で確認できる
3 能動的な学習が可能になる ・講義を聞くだけの受け身の授業が減る
・知識をアウトプットする機会が増える
・コミュニケーション能力が向上する 

3-1.反転学習のメリット1:自分のペースで学べる

反転学習の最も大きなメリットとして、「知識の習得」を自分のペースで行えるということがあげられます。

従来の学習方法では、決まったタイミングで大勢で同時に講義を受けるため、聞き逃したり、内容が理解できないまま終ってしまうというようなケースもあります。

しかし反転学習では、理解できなかったところや苦手な個所でも繰り返し見直すことができます。病気などで授業を欠席してしまった場合でもあとから動画を見ることができるので、その単元の講義を受ける(知識を習得する)チャンスを失ってしまうということがありません。
多くの生徒にとって、これはかなり大きなメリットです。

そして、理解の早い生徒にとっても、不要な部分を早送り再生することで、予習にかける時間を短縮できるという大きなメリットがあります。

<自分のペースで学べるから安心>
・わからないところを繰り返し学習できる
・必要に応じて早送りすることで時短できる
・授業を休んだ場合でも知識の習得ができる 

3-2.反転学習のメリット2:授業で生徒の理解度を確認できる

反転学習では、授業時間を使って講義を行う必要がないので、先生と生徒が直接的にかかわる時間をより多く確保することができます。そのため、生徒に直接指導することが可能になります。
授業では、小テストや、発表や演習を行いながら、その場で生徒の理解度をチェックすることができます。

<生徒の理解度がアップする>
・先生と生徒が直接かかわる時間が増える
・生徒が理解しているかをその場で確認できる

3-3.反転学習のメリット3:能動的な学習が可能になる

反転学習は、アクティブラーニング(能動的な学習)の一種として扱われる、あるいは、アクティブラーニングと併用して行われるケースが多いようです。

従来の学習方法では、先生と生徒が直接対面する授業において、先生の講義を生徒が黙って聞くだけの受動的な(受け身の)学習が行われます。一方、反転学習では、授業中に生徒が発言したり発表する機会が多くなり、より能動的な学習が可能になります。
能動的な授業で習得した知識をアウトプットすることで、生徒は習熟度を高め、同時に、コミュニケーション能力を向上させることができます。

また、自宅で動画を見る際にも、ただ動画を眺めるだけでなく、理解できなかった部分を繰り返し再生したり、必要に応じて後日再生し直すなど、より能動的に学習することができます。

<生徒が自発的に学べる環境がある>
・受け身ではなく能動的な授業が行える
・習得した知識をアウトプットする機会が増える
・コミュニケーション能力が向上する

4.反転学習を導入する3つのデメリット

反転学習を導入する3つのデメリット

次に、従来の学習方法と比較した、反転学習のデメリットをあげてみたいと思います。

<反転学習のデメリット>

1 学習環境に差がある ・自宅でのオンライン環境が必要
・保護者のサポートが必要
2 負担が増える ・動画の準備など学校側の負担が増える
・自宅での学習など生徒の負担が増える
・金銭面など保護者の負担が増える
3 習得度に差が生じる ・予習してこない生徒の問題

4-1.反転学習のデメリット1:自宅での学習環境に差がある

反転学習を実現するためには、自宅での学習環境の整備が必須です。
動画を視聴できるレベルのインターネット回線と、動画を視聴するためのタブレット端末やパソコン、スマホなどを利用できる環境が必要になります。これらを、対象となる全世帯、全生徒に確保できるかどうかが大きな課題となります。

また、小学生などIT環境に不慣れな場合は、保護者が自宅学習をサポートする必要があるため、対応できる保護者がいるかどうかという点でも、生徒によって学習環境に差が生じてしまうという問題点があります。

<自宅学習の環境に差が生じる可能性>
・自宅でのオンライン環境が必要
・保護者のサポートが必要

4-2.反転学習のデメリット2:負担が増える

効果的に反転学習を行うためには、指導する側の準備が欠かせません。動画の撮影や能動的な授業のための準備などの、教師の負担が大きくなるため、反転学習を続けることが難しいというケースが多いようです。

生徒側にとっても、自宅での学習時間が長くなることを負担に感じるケースがあります。科目数が増え、自宅で見なければならない予習動画が増えすぎてしまう可能性もあります。

保護者にとっては、ネット回線やタブレット端末などを準備しなければならないため、金銭的な負担、自宅での学習をサポートするための負担が増えるというデメリットがあります。

<教師、生徒、保護者の負担が大きい>
・動画の準備など学校側の負担が増える
・自宅での学習など生徒の負担が増える
・金銭面など保護者の負担が増える

4-3.反転学習のデメリット3:習得度に差が生じる

反転学習で学習の成果が上る生徒が増える一方で、事前に動画を見ていない生徒が、まったく授業についていけなくなるという問題があります。

反転学習の成果は、自宅学習をきちんと行ったかどうかにより大きく変わってくるので、予習の重要性をしっかりと生徒全員に伝えておく必要があります。

<反転学習には予習が必須>
・予習してこない生徒の問題

5.反転学習の導入事例(大学・小学校・社会人学習のケース)

近年、国内の大学をはじめとする多くの教育機関で、反転学習(反転授業)が導入されています。
学校教育の現場や社会人学習の現場で行われてた反転学習について、いくつかの導入事例をご紹介します。

5-1.大学での導入事例 | Moodleを利用した反転学習

愛媛大学理学部では、「学生が能動的に勉強する機会を増やす」ことを目指し、2015年~2016年にかけて実験的な反転学習を実施しました。

具体的には、講義動画を作成し、無料のオンライン学習管理システムMoodleを使って公開、学生は事前に動画を見て予習を行います。授業では、グループで問題に取り組む演習や、小テストを通して生徒の理解度をしっかりと確認しました。
講義動画は15分程度でコンパクトにまとめ、ファイルサイズが大きくなりすぎないようにするなど、できるだけ見やすくするように工夫しています。

取り組みの成果
反転学習を行わなかったときと、反転学習後の成績分布を比較すると、高得点グループの人数が増え、最も低い得点グループに属していた人数が減り、成績分布が全体的に一段階上にシフトしたという結果になりました。
成績の評価が「優」だったグループの多くが、さらに上の「秀」グループへと移行したという成果です。

 

取り組みからわかった改善点
反転学習では、予習していなければ演習に参加し理解を深めることができません。そのため、全体として評価が上った一方で、積極的に取り組まなかった生徒は反転学習を行わなかった場合よりも成績が下がったという結果になりました。
Moodleで生徒の動画視聴チェックも行っていましたが、本当に見ているかどうかまでは判断することができません。予習動画を見ることをどのようにして徹底させるかが、今後の課題です。

参考:反転授業の実施方法と事例集(愛媛大学理学部反転授業ワーキンググループ)

5-2.小中学校での反転学習導入事例 | スマイル学習

佐賀県武雄市(おたけし)では、SMILE(School Movies Innovate the Live Education-Classroom)学習という、独自の学習方法を考案。市内の小中学校の全生徒にタブレットを配布し、2014年よりスマイル学習を実施しました。

具体的には、生徒が予習動画を学校でタブレットにダウンロードし、自宅で視聴、課題を行い、学校で課題を送信(提出)します。
提出された課題を見て、教師は生徒一人ひとりの理解度を把握することができます。授業では、予習内容を簡単に確認したのち、グループワークなどの協働学習(グループで課題を解決する学習方法)を行いました。

取り組みの成果
スマイル学習によって成績が向上したというはっきりとしたデータは示されていませんが、全体として、児童の学習意欲が高まった、理解度が向上した、協働学習により言語能力(コミュニケーション能力)が向上したという成果が報告されています。

 

取り組みからわかった改善点
反転学習を実施する場合、動画の準備や授業計画、環境整備、保護者との連携など教師の負担が大きくなってしまうという問題があります。反転学習を継続的に行っていくためには、この負担をできる限り軽減していく工夫が必要です。

参考:武雄市ICTを活用した教育パンフレット

5-3.社会人学習における反転学習の事例 | オンライン英会話

株式会社RadEd(ラドエド)は、2019年、反転学習を取り入れたオンライン英会話の学習サービス「ニューワールドイングリッシュ」をスタートしました。

具体的には、生徒がレッスン内容を事前に動画で予習し、レッスンでは解説ではなくアウトプットに時間をかけて英語を学びます。
予習動画は何回でも見ることができるので、聞き取れなかったところを見直して確認することができます。こうすることで、一般的なオンライン英会話の授業でありがちな、質問しづらくてわからないまま終ってしまったというような問題を解決しました。

取り組みの成果
レッスンの時間にたくさんアウトプットをすることができるので、反転学習によるこのような学習スタイルは、外国語の学習にとても効果的です。また、しっかりと準備してレッスンを受けることができるので、限られた時間の中で高い学習効果を得ることができます
反転学習によるオンライン英会話なら、忙しくて十分な時間をとれない社会人の方でも、隙間時間に予習を行いながら、効果的に外国語の学習をすることができます。

 

取り組みからわかった改善点
反転学習によるオンラインスクールという取り組みはまだまだ始まったばかりなので、利用できるスクールはそれほど多くありません。
今後さらに市場が発展していくことで、スクールの種類や学べる項目が増えていくことが期待されます。

参考:NWE(ニューワールドイングリッシュ)

6.反転学習の導入に失敗する4つの理由

反転学習の導入に失敗する4つの理由

反転学習の導入を検討しながらも断念してしまったケースや、実施することができてもあまりよい成果が上げられず、継続できなかったといったケースがあります。

なぜ、反転学習が上手くいかないのでしょうか?それには、次のような4つの理由が考えられます。

6-1.教師の負担が大きくなりすぎる

反転学習を行うためには、予習動画の作成、能動的な授業を実現するための授業計画といった準備作業が欠かせません。そのため、教師の負担が大きくなってしまうという問題があります。

【問題点】
反転学習で良い成果が上がっても、教師の負担が大きすぎるために継続することができない。

【考えられる対策】
市販の教材動画や、eラーニングなどの学習支援システムを学校全体で導入することで、教師の負担を大幅に減らすことが可能。

6-2.予習していない生徒が授業に参加できない

反転学習では、生徒が事前に予習動画で予習をするという前提で、授業が行われるので、動画を見ていない生徒は内容を理解できず、演習などの活動に参加することができません。

【問題点】
予習動画を見ていない生徒は演習などに参加できず、かえって落ちこぼれてしまう可能性がある。

【考えられる対策】
動画の視聴状況をチェックできる体制づくり、生徒のモチベーションをアップするための取り組みが必要。

6-3.自宅学習の負担が大きくなりすぎる

反転学習を始めると、今までよりも自宅での勉強する間が増えます。その結果、成績が上がるという成果につながるケースもありますが、自宅学習が多すぎて負担になってしまう場合もあります。

【問題点】
自宅学習が多すぎて負担になり、生徒のモチベーションが下がってしまう。

【考えられる対策】
予習動画が多くなりすぎないよう、反転学習を行う科目を調整する。講義内容をコンパクトにまとめて動画の時間を短くするといった工夫が大切。

6-4.環境整備のための費用負担

反転学習を行うためには、生徒がそれぞれ予習動画を視聴できる環境の整備が必須です。全ての家庭で、必要な条件を満たす環境を用意できるわけではありません。

【問題点】
全ての生徒が自宅で動画を見られるようにするための環境整備を誰が行うか、費用を誰が負担するかという問題がある。

【考えられる対策】
時間をかけて準備をすすめ、自治体や国の補助金を利用して学校全体で環境を整備するなどの工夫が必要。

7.反転学習の導入に成功するために押さえておきたい4つのこと

反転学習を導入した多くのケースで、成績の向上や学習意欲の向上などの成果が上げられています。
反転学習を成功させるためには、どのような点を押さえておくべきなのでしょうか?4つのポイントをご紹介します。

7-1.導入前の事前準備が重要

反転学習を導入するためには、時間をかけて準備をすすめる必要があります。

導入事例を参考に教師同士の意見交換を行い、さまざまな事例を検証したうえでプランを立てていくことが大切です。その上で、動画を視聴する環境の準備、反転学習を導入する学科やクラスの抽出、生徒や保護者への説明といった、さまざまな準備が必要になります。

準備が不十分なままスタートとしてしまうと、動画が見れないなどのトラブルが起きてしまったり、予定通りに進まずかえって授業が遅れてしまうということになりかねません。

余裕を持ってスタートし、じっくり準備をすすめることが大切です。

7-2.教師同士のコミュニケーションが必要

反転学習を実施する場合は、教師同士でコミュニケーションをとり、情報を共有しておくことが大切です。

一部のクラスだけ特別な授業を行えば、他のクラスの保護者からクレームが出てしまうかもしれません。反転学習をどのように進めていくかについて学年全体、学校全体で情報を共有し、足並みをそろえておく必要があります。
また、反転学習を行う科目が多くなってしまうと、自宅学習の負担が増えすぎて生徒が対応しきれなくなってしまいます。教師同士でコミュニケーションをとり、調整することも必要です。

7-3.生徒に反転学習の目的を説明する

反転学習をスタートする前に、目的や意味を生徒たちにしっかりと伝えておきましょう。

十分な説明もなく反転学習をいきなり導入しても、生徒たちは戸惑ってしまいます。予習動画を見るべき理由が理解できず、予習をおろそかにするかもしれません。

時間をかけて丁寧に説明しておくことで、反転学習に取り組む生徒のモチベーションが変わってきます。

7-4.保護者にサポートを依頼する

反転学習を実現するためには、保護者のサポートが欠かせません。

反転学習は自宅での自習がとても重要です。予習動画を見ていなければ授業についていけず、せっかくの演習やグループワークが無駄になってしまいます。
特に小学生の場合は、オンラインでの動画の視聴が上手くできなかったり、自宅での学習を自分で管理できない場合がありますので、保護者にフォローしてもらえるようサポートを依頼しておきましょう。

自宅でのオンライン環境の整備など、経済的な負担も必要になってくるため、反転学習の目的を保護者に事前にしっかりと説明しておくこと、生徒の学習成果を保護者に実感してもらうことが大切です。

8.反転学習の基本的な進め方3ステップ

反転学習の基本的な進め方3ステップ

反転学習は、次の3ステップで進めていく方法が一般的です。

1) 教材の準備
2) 予習
3) 授業

STEP1:教材・授業の準備

教師側が行う、反転学習のための準備作業です。

準備する内容は大きく2つあり、予習動画を作成すること、そして、授業計画を立てることです。反転学習を成功させるためには、事前の準備がとても重要になります。

1) 予習動画の作成

授業計画に沿って自分で講義を行う様子を撮影するか、市販の教材を用意します。
学校でeラーニングを契約している場合は、そのコンテンツを利用する方法が便利です。

2) 授業計画

反転学習の授業では、生徒がどれくらい理解できているかを把握し、学んだ知識を応用して理解を深めます。そのために、グループワークや演習、発表、確認テストなど、具体的にどのような方法で授業を進めていくか、計画を立てます。
予習をしていない生徒についての対応方法も考えておく必要があります。

STEP2:予習

予習は、生徒が自宅で自分で行う作業になります。

生徒は、授業の前日までに動画を見て予習をします。動画を見るだけでなく、小テストなどの課題が与えられる場合もあります。
予習動画を配布する方法としては、自宅からネットでつないでオンラインで視聴する、または、学校でタブレット端末にダウンロードして持ち帰るといったやり方があります。

eラーニングなどの学習支援システムを利用すれば、教師が生徒の動画視聴状況などをチェックしたり、オンラインで課題を提出することもできます。

STEP3:授業

予習で学んだ知識をもとに、より能動的な授業を通してさらに理解を深めていきます。

反転学習の授業では、最初に短い時間で講義を行い、その後、発表、グループワーク、ディスカッションなどの演習を行うケースが一般的です。
必要に応じて、予習わからなかった箇所を直接指導したり、理解度を確認するためのテストを実施します。

9.こんなケースに反転学習がおすすめ!

こんなケースに反転学習がおすすめ!

反転学習には、どのような科目が向いているのでしょうか?また、どのような段階で実施するべきなのでしょうか?

9-1.反転学習は演習を行いやすい科目に向いている

反転学習は科目を選ばず、さまざまな科目に対応可能と考えられています。
実際に導入している学校の事例では、理系の科目で反転学習を実施しているケースが多いようですが、多くの学校で、対象をほかの科目にも広げています。

反転学習を行う科目を選ぶ基準としては、演習やグループワークといったアクティブラーニングを実施しやすい科目から導入していく方法が、より効果的です。
また、覚えるだけでなくアウトプットを多く必要とする外国語の学習にも、反転学習が適しています。

<反転学習を最初に導入した科目の一例>
数学、理科、プログラミング、英語、社会 ほか

9-2.反転学習は大人のオンライン学習にも最適

反転学習は、生涯学習など大人向けの学習にもおすすめです。

学校を卒業したあと、外国語の習得やさまざまな資格取得のための勉強をしているという方はたくさんいらっしゃいますが、週に何度もレッスンを受けるられるわけではないので、習得するまでに時間がかかってしまうという問題があります。
また、仕事が忙しくなると、会社帰りにスクールに通ったり、毎週決まった時間にレッスンを受けることが難しくなってしまいますし、モチベーションを保ち続けることも困難です。

反転学習なら、ちょっとしたすきま時間を利用して予習を行い、貴重なレッスンの時間を演習やアウトプットのために使って、より理解を深めることができます

9-3.企業の人材教育、研修にも反転学習がおすすめ

企業で行われる研修や、人材教育にも、反転学習を効果的に利用することができます。

社員を集めて研修を行うような場合、限られた日程・時間の中で効果的に必要な知識や技術を習得しなければなりません。また、集まった人材の知識レベルにバラつきがある場合は、説明のために時間を割かなければならず、すでに理解している人にとっては時間が無駄になってしまいます。

反転学習を利用すれば、事前に動画で予習を済ませ、貴重な研修の時間を有効に使うことができます
それだけでなく、社内の人材が集まって単に講義を受ける場合よりも、グループワークを通して社員同士の交流を深めることができるというメリットもあります。

10.反転学習について学べるおすすめの本3選

最後に、反転学習について知りたい方におすすめの、役立つ本をご紹介します。

10-1.『反転授業が変える教育の未来』

反転授業が変える教育の未来 生徒の主体性を引き出す授業への取り組み

『反転授業が変える教育の未来 生徒の主体性を引き出す授業への取り組み』
著者:芝池宗克、中西洋介
出版社:反転授業研究会

「反転学習」を導入したい方のための、具体的な実践方法を紹介してくれるおすすめの一冊

著者は、近畿大学附属高等学校に勤務する現役の教諭。

勤務する学校で実際に行った反転学習の実践事例を紹介し、導入のポイントについてもわかりやすく解説しています。また、反転学習が広がってきた背景や、反転学習を取り入れるべき根拠、教育の未来についての考察も必見です。

10-2.『反転授業』

反転授業

『反転授業』
著者:ジョナサン・バーグマン、アーロン・サムズ
監修:山内祐平、大浦弘樹
出版社:オデッセイコミュニケーションズ

東京大学教授が推薦する、「反転学習(反転授業)」を知りたい方のための入門書

アメリカの高校に勤務する著者が実験的に実施した反転授業について紹介する本です。

授業についていけなかったり、忙しくて学びそびれたり、学校教育の中で落ちこぼれていく生徒をなんとかしようと模索していく中でたどり着いた、反転授業という学習スタイルについて、導入方法や実際に行ったさまざま取り組みを紹介しています。
反転学習の始まりや、その経緯についても知ることができる、貴重な一冊。

10-3.『反転授業オンライン教育実践マニュアル』

反転授業オンライン教育実践マニュアル

『反転授業オンライン教育実践マニュアル』
著者:静岡大学情報基盤センター
出版社:静岡学術出版

オンライン教育の実践事例を紹介する、オンライン教育マニュアルともいえる一冊

静岡大学は、2019年に「オンライン教育推進室」を設立。学校全体で、オンライン教育による反転学習をすすめています。
本書では、反転学習導入のための動画作成方法など、詳細な手段、具体的な導入方法と、オンライン教育に対する研究状況を紹介。これからオンライン教育、反転学習の導入を検討している方のためのマニュアルとして役立てることができます。

まとめ

今話題の「反転学習」について、メリット・デメリット、導入事例、成功するためのコツ、反転学習の進め方、おすすめの本などの情報をご紹介しました。

反転学習とそれに伴うアクティブラーニングには、成績向上だけでなく、コミュニケーション能力の向上など、大きな学習効果が期待されています。
また、新しい時代の教育現場で文部科学省が推進するeラーニングとともに、反転学習への注目度は、今後ますます高まっていくのではないでしょうか。

反転学習を理解しておくことで、これからあなたが目指す学びの場において、大きなアドバンテージを得ることができるでしょう。
この記事が、反転学習をより深く知るための手助けとなれば幸いです。

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