専門家対談 山梨瑞希 コロナ禍でもパーソナルトレーナーとして活躍する方法
小林:教育ビジネスリーダー対談「こうして私は起業に成功した!」ということで、パーソナルトレーナーとして活躍されている、山梨瑞希さんにお話を伺っていきます。
山梨:よろしくお願いします。
・山梨瑞希さん公式サイト:https://www.mizuki-yoga.com/
・Awareness care:https://www.mizuki-yoga.com/awarenesscare
オンラインへビジネスモデルをチェンジした経緯
小林:瑞希さんにお声がけした背景は、コロナ禍で特に対面のトレーナー業やスタジオビジネスが大きな打撃を受けていると思うからです。しかし、瑞希さんのようにコロナの影響を受けず、むしろ業績を伸ばしている起業家の方もいます。
今、課題に直面している人のお役に立てていただければと思います。瑞希さんの場合は、コロナ前から、ビジネスモデルをオンラインで構築していますが、ご自身の自己紹介と、ビジネスモデルチェンジについて教えていただけますか。
山梨:皆さま、はじめまして。「筋トレをさせないパーソナルトレーナー」山梨瑞希と申します。元々僕も、パーソナルトレーナーやヨガトレーナーをしていたのですが、どうしても対面でやる職業でした。2年前までは対面が当たり前で、業界の認識として対面でなければ意味がないくらいでした。
コロナがこれだけ騒がれる前からオンラインに移行した背景は、どうしても自分の身ひとつでお客様と1対1をやり続けると、労働時間=収入となってしまう問題に直面したからです。レバレッジが効かない、働くしかないという状態だったので、それを変えたくてオンライン化することにしました。
正弥さんの2冊目の著書『億を稼ぐ勉強法』は、インストラクターさんをされてい方に刺さる内容だと思います。本の中で、Youtubeについて触れられていました。「自分の分身をどれだけ世界に発信出来るか」。
僕が1人1人に教えていたとしても限界があるのなと悟って、それからオンラインを活用してもっと多くの人に、僕のスキルや知識を提供できないかとモデルチェンジしました。
小林:いつぐらいに、どのようにビジネス転換していったのですか。
山梨:2019年の4月くらいから転換していきましたが、気づいたのは、お客様より僕のほうが対面にこだわっているということでした。変に自信があったというか、固執してしまっていて、対面でなければ効果は出せないと思っていたんです。
切り替えが上手くいったと思ったタイミングは、YoutubeなどSNSを使ってライブをすることで、お客さんの声を直に拾えるようになったことです。自分が「○○のようなトレーニングをしてくださいね」と動画を出したら、こんなに喜んでもらえるんだ、と気づいてからは早かったです。
小林:元々、お客様に喜んでもらって成果を出すためには、対面じゃなきゃというプロのこだわりがあったけれど、オンラインでつながってみたら、それでも満足されているんだと変わっていった感じでしょうか。
山梨:特にオンラインのメリットは、忙しい方にも、好きな時に好きな場所で何度も学んでいただけるところです。トレーニングやヨガをする方、マインドフルネスや脳疲労を回復したい・自分の生産性を高めたいという意識を持っている方には、何とか時間を作って来ている方が非常に多かったです。
この場所、この時間でなければ僕のトレーニングを受けられない、という制約が外れたのは、とても大きなプラスだったと感じています。
小林:お客様にとっても時間を節約できるし、移動時間も0ですよね。
山梨:僕が出張することもなくなりました。それまでは、自転車に乗って都内を駆け回っていたんです。それが完全になくなったのは大きいです。
自分で身体のクセやメンタルのくせに気づき改善するアウェアネスケア
小林:瑞希さんがメインで行っている「アウェアネスケア」というのは、どのような形で、どんなお客様に提供されているのですか。
山梨:自分で肉体のクセやメンタルのクセ、思考、習慣のクセに気づいてもらって、それを自分で改善していくというプログラムになっています。
健康の意識が高い方、健康を資産ととらえて積み上げていきたい方が受講してくださっています。そのような方は「時間がない」と非常におっしゃいます。
運営の仕方として、オンラインのliveレッスンももちろん提供していますが、例えば身体のどこかが痛い方には、「この動画を見てくださいね」とメールでやりとりして、それに対して「解決した・ここが痛い」などフィードバックをして、メールと動画の繰り返しで結果が出ているという形になっています。
小林:疲れや痛みを取り除くための運動や健康を習慣化させて、トレーニングメニューをオーダーメイド化しているような感じですね。
スタジオの場合だと、行けば強制的にトレーニングをやりますよね。オンラインで習慣化させるには、それなりのプログラムが練り込まれていると思います。忙しいビジネスマンなどが、生活習慣にまで落とし込めるようにするには、どのようなコツがあるのですか。
山梨:まず、習慣化するところがある意味、スタートでありゴールです。極端に言えば、習慣化させしてしまえば、運動していればどんな人も健康になると思っています。
挫折してしまったり、いろんな方法論が無限に出てくるのですけれど、その中でも「継続出来ない・結果が出ない」のは習慣化が出来ていないからなのです。なので、習慣化を行うために、自分の今までの習慣を振り返るところから始めていただきます。
例えば、1日のうち何に一番エネルギーを使っているか、はっきりと把握している人は非常に少ないです。ざっくりと「仕事」と答える人が非常に多いのですが、仕事の中の何に一番エネルギーを使っているのか、時間をどれだけ割いているか、それをすべて振り返っていただきます。
例えば、仕事だと答えた方に対して「仕事の何が一番辛いですか」とフィードバックして、「座りっぱなしで作業するのが辛い」と出たとしたら、改めて負担になっていることにどれだけ時間を使っているのか把握すると、疲れるのも当たり前な数字なんです。
その数値を理解して、改善するためにはどんな時間の使い方や割合にしていけばいいか、ということを自分で落とし込みしてもらいます。
あとは、自分が立てたスケジュールに沿って、トレーニングやストレッチをしてもらえれば自然と結果が出る、設計図をしっかり組み立てていくことが重要だと思います。
アクセルを踏みすぎない心地よいトレーニングで習慣化
小林:座りっぱなしで腰が痛い、肩がこるといった現代病は多くの人に共通することだと思いますが、それにエネルギーを使っているから不調が出ると気づくわけですね。その不調が出ないように取り除いていくために、どんな指導をするのですか。
山梨:人それぞれですが、ストレッチやトレーニング。筋肉の使い方だったり、「その時にどんな感情が出てくるか」といった、さらに踏み込んだ質問もしていきます。
長時間やり続けることで、楽しいことをやっている時の感情にも落とし込んでいくのですが、トレーニングもその人がやって心地良いものでなければ、基本は習慣化出来ません。
最初にアクセルを踏むところも必要なのですが、踏んでいるかいないか気づかないような所でトレーニングすることをオススメしています。
小林:良くある短期間のボディメイク系のように、過度の負荷をかけて筋肉痛が出るようなものは、習慣化しにくいということですね。
山梨:3ヶ月くらいなら頑張れると思いますが、それを継続して頑張れる人はほとんどいなくて、リバウンドしてしまうのがよくあるパターンです。
頑張るか頑張らないかわからないくらいのトレーニング、なおかつ心地よくてやらないと気持ち悪いと感じるくらいのものを選択していただくのが重要です。
小林:人によって違うのでしょうが、トレーニングの時間や、朝昼晩のいつやるのか、1日何分くらいやるのかはどんな感じでしょうか。
山梨:「ベッドの中で5分ストレッチしてもらえればOK」というところからスタートする人もいらっしゃいます。もぞもぞするだけ、というようなトレーニングもありますから。
最初は5分から始めた人たちが、次の週には10分やるのが苦でなくなります。ゆっくりアクセルをふかしていく感じです。
小林:不調が解消される、その人の最高の体調に戻るにはどのくらいかかるのですか。
山梨:これも、肉体的な不調であれば、早い人なら1週間で変化を感じていただけました。だいたい1ヶ月やっていただくと、身体の変化を感じていただくことが出来ています。
小林:実際に、対面から完全オンラインに転換して、成果の比較はどうでしょうか。
山梨:実は、オンラインの方が成果が上がってきたという部分があります。なぜかというと、お客さんとコンタクトやコミュニケーションを取る時間が増えているからです。
対面だと1週間に1回、多い方でも3回スタジオに来ていただいて、その時間はしっかりとホウレンソウが出来ますが、今は「ちょっとでも身体に良い気づきがあったら連絡してください」と案内しています。
オンラインだと、「このストレッチをやったらこんな変化が出ました」と連絡していただいたら、「次にこの動画を見てください、このストレッチをしてください」と、撮ってある動画を見ていただけるので、オンラインにしてお客様の変化も早くなりました。
小林:今までは「運動やトレーニングはスタジオでやるものだ」「そもそも家でやるものじゃない」というのがお客さんの常識だった。それが、家でやることで、より日常の習慣化されるということですよね。
山梨:日常にとけ込ませたもの勝ち、というところがありますから。
オンライン化でライフスタイルも変化
小林:瑞希さんも、レッスンや出張に行ったりしていたところから、その人に合わせて撮りためた動画を、分身としてメールで送れば良くなったということですね。
瑞希さんの業績も良いし、家族との時間もたっぷりとられていると思いますが、一般的な瑞希さんの日常、ライフスタイルはどんな感じですか。
山梨:実は、朝6時にグループレッスンがあるんです。「朝活したい」というエグゼクティブの方や一定の声がありましたので。朝6時にスケジュールが入る方って、よほどのことがなければいらっしゃらないと思うので、ここはしっかり枠を確保しています。
その後は、妻と散歩に出かけたり、正弥さんに教わったことですが、雰囲気の良いカフェに出かけます。
疲れた状態でお互いに話し合うと、感情的になったり不要なケンカをしていたのですが、時間の余裕があって雰囲気が良いところで話をすると、建設的な話が出来るようになっていきました。
妻がYoutubeや動画の編集をしたり、LP作成をしてくれているので、今後の作戦や戦略を練る時間がしっかり取れるようになったのは大きいです。
小林:奥様が人生のパートナーであり、ビジネスパートナーでもあるのですね。
山梨:今まで、妻との間にビジネスパートナーとしてだけ、になってしまうタイミングがどうしても生じていました。収入が増えてきた時に、ドラマのような話ですが、「変わっちゃったね」みたいなことを言われたこともあります。
起業家さんあるあるかもしれませんけれど、男からすると「奥さんのために頑張ってるんだよ」というのがありますが、そのバランスが取れるようなライフスタイルになれたのは大きいですね。
小林:コロナ前には、新婚旅行で海外にも行かれていましたね。時給でお勤めしたりすると、パーソナルトレーニング業界の賃料は安いじゃないですか。その延長線上で考えると、どうしても難しかったですよね。
山梨:本当に、休みの日は朝から昼まで寝ているだけでした。勤めていた時の妻との関係性もそうだし、子どもが生まれた時に、遊んであげられないお父さんになりそうだという予感がありました。
週末が一番忙しかったりするので、平日の子どもが学校に行っている時間に、自分が気絶するように眠る未来を想像した時、「これは変えなければいけない」という恐怖がありましたね。
25歳の時、独立して気づきました。周りの先輩方に話を聞くと、そんな不安があるという情報は入ってきていたので「そうなるのはイヤだ」という危機感は、早いうちからありました。
小林:せっかくお客様の健康のためにトレーナーさんたちは真剣に向き合っているのに、頑張るほど自分の健康やプライベートが犠牲になってしまうのは、業界の課題としてありますよね。
山梨:身体を壊すインストラクターも、結構多いです。でも職業的に、体調が悪いとは言えません。自分で抱えていって、ムリだとなって辞めていくパターンは結構あります。突然居なくなるんです。「どうしたの」と聞くと「転職したよ」というパターンは良くあります。
小林:瑞希さんは、トレーナーさんの方に対してもビジネス指導をされていますが、改めて、瑞希さんがやっているようなビジネスモデルでいけば、身体を犠牲にしてしまうような人が、どんなワーク・ライフスタイルになれますか。
山梨:身体のことに対してストイックに勉強をする方が、本当に多い業界だなと思います。技術職なので、スキルを上げることに対してストイックな方が多いです。
それゆえに、休日になれば有名な先生のワークショップに出かけたり、解剖学の勉強で専門書を買ったり。そんな時間を確保したいけれど、時間を作ると働けなくなるので給料が下がるし、逆に勉強をするためのお金を得るために働かなければいけない。
自分が好きなタイミングで好きなだけ勉強出来る、技術の習得が出来る、自分のレベルアップをさせることが可能になるライフスタイル、ライフワークが出来ると思います。
小林:瑞希さんは、今の自由なライフスタイルを手に入れるために、「やるぞ」と決めてからその状態になるまでに、どのくらいかかりましたか。
山梨:僕は、3ヶ月くらいですね。正弥さんとお会いして、3ヶ月目にはこの形に切り替えようと、自分の中で決めて、それからは早かったです。3ヶ月あればチェンジ出来ると思います。
小林:これをご覧になっている、健康関係、トレーナーの方は、瑞希さんのモデルを参考にしていただけると本当に人生が変わります。
山梨:本当にオンライン化してからは人生が変わったと、嘘いつわりなく思っていますね。
山梨瑞希さんの今後のビジョン
小林:起業家として、新しいパーソナルトレーナーとして、ビジネスを伸ばされている瑞希さんの今後のビジョンについて、最後に聞かせてください。
山梨:オンラインに自分の戦場を移したことで、商圏が無限に拡大していったと強く実感しています。
今までは東京都圏内が限界でしたが、今は日本全国に生徒さんがいらっしゃいますし、実際に海外にお住まいの方にも受講していただいているので、自分の知識、スキルをどんどん広めていきたいです。
これまでは「日本を」と思っていましたが、世界中に健康を、自分の体を自分で癒せる人を増やしていきたいというのが今後のビジョンです。
小林:海外でも、時差があっても動画なら関係ないですからね。商圏が世界になっていくということで、益々のご活躍を確信しております。
山梨:ありがとうございます。
・山梨瑞希さん公式サイト:https://www.mizuki-yoga.com/
・Awareness care:https://www.mizuki-yoga.com/awarenesscare